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新・男はつらいよのぉゅのレビュー・感想・評価

新・男はつらいよ(1970年製作の映画)
3.9
2020年 鑑賞
BSテレ東にて、テレビ初放送の4Kでらっくす(4Kデジタル修復版)での一挙放送にて。6/50作目。
今作は山田洋次監督作品ではない一本。監督は、元フジテレビのディレクターで、渥美さんと山田監督を会わせ、初期の男はつらいよシリーズを支えてきた1人の小林俊一さん。
前作の封切りから、たった43日での本作の公開となった。

おじおば孝行のために競馬へ行く寅さん。“ワゴンタイガー”という馬に同姓同名を感じ、馬に祈り、一攫千金し、タクシーにて、名古屋 〜 柴又をタクシーで帰還!
一躍、寅さんの一攫千金が町中に知れ渡った事により、大金が盗まれ... 町のみんなには知らせず、こっそりと柴又へ帰還することに。そういう所が寅さんっぽい!人情で、旅行会社の人を責めず、ハワイへ行くと大啖呵切った町の人たちを傷つけないようにしたり、とらやに入った泥棒(財津一郎さん)も、警察に届けず、お金を渡し、解放したが... で、一悶着あり、寅さん旅へ。もうお家芸だ!

あの帰ってきた時の、とらやの前を行ったり来たりや、気づいていながらも、おいちゃん、おばちゃんの知らないふりの下りも好きだ!寅さんが二階に上がろうとすると、二階は貸していると... 俺にゃ帰ってくる所もない!と。じゃあ旅に出ると... その二階に下宿してんのが、本作のマドンナ・幼稚園の先生の春子(栗原小巻さん)。春子さんに一目惚れの寅さん。そこからその幼稚園に入り浸るが... 寅さんの父親の命日が、実は重要な鍵を握っており... で、なんだかんだで、振られる... 旅に出る。「今回も恩返しらしいことはできなかったなぁ。いつか必ず、必ずいい夢見せてやるからな」という言葉を残して。この人情味が、寅さんだね!

私はおいちゃんのツッコミが秀逸!で好き!本作の一番が、春が来ぃた〜♪と浮かれていた寅さんに、おいちゃんが、「春が来てんのは、おめぇの頭ん中だろう!」だ!まさしくの一本取られた!気分だ。

“わたしの寅さん、ぼくの寅さん”に寄稿された森山直太朗さん(シンガーソングライター)。物心つく前から観ていたそう。「それを言っちゃおしめぇよ。」が口癖のお父さん。お父さんを誘って、“お帰り 寅さん”を観に行きたいと、おっしゃっていた。私の父はもうこの世にはいませんが、寅さんが好きであったろう父と、寅さん談義に花を咲かせたかったし、劇場も一緒に行きたかったなぁ... 仏壇の前で独り、くっちゃべるとしますか。

この作品の公開日、運命感じる!だって...

971(30-102)
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