彼のパブリックイメージであるシュールレアリズムからはかけ離れた、どちらかと言うとロッセリーニな傑作。(爆笑するイエスの絵や女がブリッジしながら妄想で男の唇を噛みきる謎のシーンは出てくるが…笑)
協会とは対立する俺流のやり方で人を助けようとする神父の話で、ブニュエルは明らかにこの神父の側。宗教が嫌いと言うより協会が嫌いなんだろうなぁ~
奇跡(ただの偶然だが)を目にして神父を慕ってついてくる娼婦の一人が、「それはただの男への愛だ」と指摘され発狂するシーンで泣いてしまう。
努力はなにも実を結ばず、肩に頭を乗せる女の動作が、結局、俗世界の別の男へ向けて繰り返されるラストの虚しさ。