イルーナ

劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ キュレムVS聖剣士ケルディオのイルーナのレビュー・感想・評価

1.5
本作で劇場版ポケモンは15周年を迎え、短編も復活。
これだけ聞けば景気のいい話ですが、ここから劇場版ポケモンは低迷期を迎え、興行収入は『ボルケニオンと機巧のマギアナ』まで右肩下がりが続くことに。
本作の評価も正直言って芳しくないです。

一番の理由が、「ケルディオの成長」一点のみのストーリー。
成長物語と言えば確かに王道ですが、本当にそれしか描かれていないため、「これわざわざ劇場版でやる必要ある?TVスペシャルで十分では?」と言われるのも無理はない。
……いや、TVスペシャルと言ったら、かの『ミュウツーの逆襲』の続編『ミュウツー!我ハココニ在リ』という作品がありました。それはミュウツーの成長を描いた、ファンにとっては必見の作品となっていて、ぶっちゃけとても比較にならない。つまり、この作品はTVスペシャルだとしても、評価されていたかは疑問符がついたと思われます。
サトシですら本作では影が薄いし、平気で乗り物を持ち出した挙句に一丁前に操縦するアイリスやデントには苦笑い。一体どこで操縦を学んだのか?そもそも免許持ってないよね?
ゲストキャラも本当にいなくてもストーリーが成立するレベルだし、ロケット団に到ってはとうとうモブ化。
そもそもタイトルからしてやっつけ感が漂っているし。ディアパルダークライの再来……
また、この作品から海外ロケがなくなったあたり、予算が大幅に削られたと思われます。やはり震災の影響でしょうか。
某wikiで記事を作った時も、あまりにも書くことがなくて頭を抱えました……

○以下余談
本作のケルディオですが、原作のゲームでも性能が従来の幻ポケモンよりも合計ステータスが低めに設定されていたことや、当時では優秀なタイプを持っていたことで「なぜレート対戦で使える一般枠にしてくれなかったんだ」と嘆く声が多数。
本来なら準伝説(レートで使える伝説)ポジションだったのが、数合わせのために幻ポジションに回されたのでは?という疑惑。
さらにフォルムチェンジ形態の「かくごのすがた」も、見た目が変わるだけの、まさに「フォルムチェンジの水増し」「付け焼刃」という惨事。
しかも専用技習得イベントでも、フォルムチェンジが用意されていないBWの方がバックストーリーの掘り下げがなされているし、「かくごのすがた」自体相当な急造品だったのでは?という疑念が。
公表されたのがB2W2の発売直前だったから、余計にそう思えます。
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