KnightsofOdessa

乱のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
4.0
[] 80点

そういえば日本史っていつから習ってないっけ?と考えてみると、センターは強制地理選択で中三からは世界史だったので、最後に習ったのは10年以上前だったかと驚愕している。当時は戦国時代には全く興味がなかったんだが、最近になってようやく面白味を見出だせたので、先延ばしにしていた本作品にようやくポジティブに辿り着く。本作品は毛利元就の"三本の矢"とシェイクスピア『リア王』を融合させた物語である。70になった主人公が長男に家督を譲ったら見事に崩壊したましたという話なのだが、同じく黒澤のシェイクスピア&戦国ものの『蜘蛛巣城』と同様に、ここでも物語を進めるのは女である。秀虎が潰してきた家の生き残りの娘を太郎と次郎の嫁にするという、この時代なら元々の家に従っていた家臣や国人領主を納得させるためのあり得る判断なのかと思いつつ、特大級の爆弾を後世に残しているだけだろとも思ってしまう。一応、太郎の嫁の楓の方と次郎の嫁の末の方は、似たような境遇だが全く異なる対応を取る(前者は復讐を開始し後者は神仏に祈る)ことでバランスは取れてるのか。兄弟で邪魔になった秀虎を押し付けあって秀虎が発狂する前半は若干退屈だが、平山丹後や鉄修理のような脇役までキャラが立ってくる後半は躍動感もあって非常に楽しめる。残り19本。
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