トム

スターリングラードのトムのレビュー・感想・評価

スターリングラード(1993年製作の映画)
3.8
◯あらすじ
1942年、ドイツはロシアのスターリングラードへ侵攻。しかし、待ち受けるのは激戦に極寒と食糧不足であった。

◯感想
ドイツ兵側からの視点で描かれる。

画面から空腹さと寒さが伝わってきて、見てるこちらも苦しくなってくる。

戦争で起こりうる誤射、誤爆、爆弾兵として犠牲になるなど混沌さも描かれている。

深くまではキャラを描かれず戦闘に入るので、最初は感情移入できる前に、あっさり登場人物が死ぬ。

ただ後半からは人物の性格が分かってきて、人間ドラマを感じさせてくれる。

生真面目な少尉のウィッツランドが主人公。
捕虜兵への暴力を嫌う誠実なキャラ。
日本人からしても好きになりそうな性格。

印象的なシーンは、対戦車戦、銃殺刑、ラストあたり。

初めて知った知識としては、白昼の市街戦後の夜シーンにあった。

こちらの建物には味方のドイツ兵が陣取り、向かいの建物には敵のロシア兵がいる。夜なのでお互い休戦状態。

ただ建物と建物の間の通りには、お互いの負傷兵がいる状態。ここで建物越しにドイツ兵が「負傷兵の治療のため小休戦」を投げかける。

建物越しに両兵は銃を構え、トリガーに指を添える。お互いの救護員が負傷兵の救助に行く。下手すれば一触即発、緊張感に包まれる。戦争とはいえ、小休戦がこのような形であるのは初めて知った。

全体的に疲れる映画。
だけど、以下に戦争が愚かなものか認識させてくれる良い映画でした。

ウィッツランドが韓国映画タクシー運転手のジャーナリスト役と同じ俳優さんであること驚いた!
トム

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