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クルージングの一人旅のレビュー・感想・評価

クルージング(1980年製作の映画)
3.0
ウィリアム・フリードキン監督作。

ゲイ殺害事件捜査のため、ゲイの集う地区に潜入捜査する警官の姿を描いたサスペンス。
あまり知られていないアル・パチーノ主演作。『クルージング』というタイトルだけ聞くと海を舞台にした爽やか青春ストーリーを連想してしまうが、本作はガチムチ系の男臭さと男同士の性的描写が充満したえげつない作品となっている。女性の恋人がいるストレートの警官が単身ゲイタウンに乗り込み、自身の貞操を賭けた捜査を開始する。警官のコスプレをした無数の男が夜な夜な乱交を繰り広げる秘密クラブへの潜入を図ったり、捜査のために好きでもない男を誘惑してSMプレイに興じるなど、危険を省みない警官の決死の行動が強烈だ。裸の男が愛撫し合う映像は衝撃的だが、捜査過程は案外地味で容疑者への手がかりや物的証拠を地道に収集していき事件の核心に迫っていく。
性的映像が最も印象的な作品だが、ゲイ同士の特殊な情事の最中に発生する殺害場面の凄惨さも苛烈で恐ろしい。
シュールで可笑しな場面もある。取り調べ中に何の脈絡もなく乱入してきた裸の大男が警官をいきなり引っ叩くシーンは意味が分からな過ぎて笑ってしまった。
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