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クルージングのListenerのレビュー・感想・評価

クルージング(1980年製作の映画)
3.7
フリードキンの映画は質感と音楽だけで満足できてしまう。『エクソシスト』と『恐怖の報酬』のしつこいくらい丁寧な導入も好きだけど、本作ではあっさりと本題に。冷たい色からパッと明るくなるダンスのシーンが特に印象的だった。振り返ってみると、アル・パチーノが変容した(かもしれない)タイミングとして描かれているように思う。

80年代の映画を見るとエイズの存在を強く感じる時がある。本作はその直前の時代かな。ちょっと無邪気さを感じる。

細かい演出も好きだった。レストランで料理が逆に提供されるところとか、(たしか)彼女と抱き合う時に焼き上がるトーストとか。でも一番インパクトがあったのはやっぱり例のビンタ。屈強な男にフルスイングされてるのに、殴られた痛みより「今の何だよ!?」って驚きのリアクションをしてて笑える。
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