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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊のyastakのレビュー・感想・評価

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)
3.8
突然やってきたアニメ観たい発作にのっかって、名作と言われながらこれまで観る機会がなかった本作をようやく鑑賞。

士郎正宗の原作はたぶん遙か昔にちょこっと読んだっきりで記憶はおぼろげながら、主要なキャラクターや、電脳化や擬体化とかの基本的な設定はふわっと頭に入ってました。

良くも悪くもマンガ的な設定や内容をイメージしていたんですが、凄くリアリティがあって面白かった!

本作は90年代の作品ですが、作品全体の表現の多彩さと細かさ、意外性のあるストーリーとか、今でもまったく色あせない完成度に驚きました。

ざっくり、脳を機械化してゴーストって人格のようなものが入れられるようになり、神経ネットワークが直接外部のネットワークと接続できるようになった世界というのが基本設定。(間違ってたらすんません)
ゴーストそのものが複製されたデータでも、それは一つの人格になり得るってところとか、機械化された人体が形骸化して、複数のゴーストがマージ(融合)して別人格が生まれるところとか、ちょっと観たことない話で感動しました。

現実でも、ネットワークと人間のシームレス化ってどんどん加速している感があるけど、脳の機械化はさておき、本作の設定ってもういくつか現実化している気がする。
義足やパワードスーツととかの高度化とか民生化もそうだけど、AI使ってノウハウを遺したりとかも、ある意味電子化された遺伝子情報みたいなものなのかも。

勢い余ってテレビシリーズも何話か観てみたんですが、主要キャラの描かれ方に違いがあるものの内容は面白そう。
アニメ化や映画化にあたっては、普通、原作者が世界観やキャラ設定についていろいろ口出ししそうなものだけど、士郎正宗ってそういうことを求めない人みたいで、それぞれがそれぞれに面白いことには、その辺りの兼ね合いもありそうです。

押井守監督作品ですが、本作の完成度をみると、その演出力もさることながら、同監督が持つイメージが作品の世界観とも合っていたのかなと思います。

押井守監督の作品、これまでちゃんと観たことなかったんですが、うる星やつらの映画版とかも気になってきました。
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