モノトーン家具を揃えたバチェラー部屋で疲れた顔の捜査官が銅製のパーコレーターで沸かしたコーヒーをホーローマグに注ぐ描写に勝手にセントラルアーツ味を感じてしまったけど、話が進むうちにそんな印象はなくなりあの時代の香港の煤けた街中で長々と行われるキッズたちによる地味〜集団尾行シーンに圧倒されてしまう。標的を囲んだり見失ったり追い越したりのフォーメーションの上手さ、ちょっとしたことであっさり失敗するとこもいい。

FILMeX2025プレ。麻薬王を追い詰めようとする刑事を描いたクライムサスペンスで、80年代以降の杜琪峯（ジョニー・トー）や呉宇森（ジョン・ウー）の香港ノワールに比べるとルックも演出も非常に淡白だが、主演俳優さんが福山雅治を庶民的にしたような顔立ちなのでなぜか画面の親近感は著しい。勧善懲悪にはせずシステムの藻屑となるデカを哀愁の余韻とともに描ききるプロットは嫌いじゃなかったけどあと一歩。原田眞人『盗写 1/250秒 OUT OF FOCUS』くらいブルージーだったらもっと好きだった。

先週からマジでずーっと体調悪くて、TIFFクロージングの『ハムネット』を発熱と喉の痛みにより欠席したあたりで危機感を覚えて翌日午前休とって病院に行ったらコロナでもインフルでもなく喉も腫れてませんと信じられない診断をもらってしまったので仕方なく午後から出社したけど、次の日からも色んな症状に1日ずつ交代で襲われる奇妙な日々。たぶん身近な体調不良は全制覇できたと思う。スタンプラリーみたいで楽しかった。今日になってようやく元気が出てきたが、最後のスタンプとして1.5年ぶりくらいに会社に寝坊して遅刻した。裁量労働制だから実質セーフだという強い気持ちで堂々と遅刻。ちゃんとバリューは出すから許していただきたい。

体調を崩すことの唯一のメリットはダイエット期間として使えることで、週明けから4日間連続でFRIJOLESのサラダしか食べなかったので数キロ痩せられたはず。今日はラーメン食べたけど、また来週からサラダ生活に戻ろうかな。FRIJOLESのサラダ美味いんだよね。高いけど。CRISPより好き。どちらかといえば痩せ型なんだが、たまに痩せ活ブームが来る。

第26回東京フィルメックスプレイベントにて鑑賞。

香港ノワールが黎明期だったころ、麻薬取引を追う警察官の静かに熱い物語があったんだ、と再発見できる作品。

ジャッキーやサモ・ハンの活躍するアクションシーン黄金期前夜の中で地味な雰囲気がらも面白い。ラストはあっさりすぎて拍子抜けしたけど。

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