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キツツキと雨のsonのネタバレレビュー・内容・結末

キツツキと雨(2011年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

大好きな「横道世之介」の沖田修一監督作品。
木こりの克彦は、映画監督の青年、幸一と出会う。幸一はオドオドしていて指示するのも苦手だけど、映画に情熱を持っている。克彦は最初こそイライラするものの、幸一の脚本を読むことで、その情熱が伝わり、少しずつ彼に協力するようになる。
ふれあいを通して、二人は少しずつ変わっていく。
撮影が上手くいくかを、靴下のチョイスとか甘いものを食べないとかジンクス的な物に頼っていた幸一は、克彦を見ながら少しずつ、「自分」がどう動いたかが本当に大事なことだと気付いていく。
克彦は、息子がなかなか就職できないことにイライラしていたものの、幸一を見ているうちに、若者には若者なりに得意なことや、胸の内の想いがあることに気づかされ、息子に対する態度が変わっていく。

役所広司の可愛らしさたるや!
こういう人情味あふれる不器用なおじさん大好き。親戚か職場にいてほしい。
最初は監督の小栗旬にイライラしてた周りの撮影スタッフが、徐々にノリノリになっていく様子も良かった。

沖田監督は、役者の自然な空気感を出すためになるべく長くカメラを回す人らしく、旅館で甘いものを二人で食べるシーンは二人のアドリブが冴え渡り、まさに沖田監督だからこそ撮れたカットだと思った。
派手さはないから、映画館で観るには少し退屈かもしれないけど、家で観たから最高だった!!
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