son

万引き家族のsonのネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

親子で万引き、汚い部屋、祖母の年金を食い物にした生活。冒頭からめちゃくちゃな家族だな〜という印象。
でも治がりんを拾ってくる場面や、信代がりんを抱きしめる場面、髪を切ってあげる場面などを観ていくうちに、だんだんこの家族の人間味溢れた雰囲気が好きになっていった。本当に全部めちゃくちゃなのに、嫌いにはなれなかった。
花火の場面、海の場面で楽しそうにする家族を観ながら、ああ、こんな生活が長く続くはずがない、この先崩壊するんだ、とひしひし感じて、すごく切なくなった。
家族がどんどんバラバラになっていくシーンは、観ていられなかった。胸が痛かった。

治がしたことは誘拐だ。信代がしたことはたとえ愛情があっても、教育を受けさせられないという意味では虐待だ。血縁もない。何も真っ当じゃない。わかってる。
それでも自分は、彼らに家族愛を感じずにはいられなかった。
「家族」の定義って?
分からないけど、彼らはちゃんと家族だったんだと思う。そう思いたい。

自分の家族は万引きも誘拐もしたことないし血縁もあるけど、食卓を囲んでいる時はほとんど彼らと同じような感じだ。鍋をみんなでつついて、うまいうまいと言って食べる。
親近感を感じずにいられない。
どうか柴田家の皆があの後少しでもいいから報われていてほしい。
son

son