ねぎおSTOPWAR

川の底からこんにちはのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

川の底からこんにちは(2009年製作の映画)
4.0
《勝手に石井裕也祭り》

石井監督にとっては、2023年現在、前妻となる満島ひかりさんと出会ったきっかけ映画。
満島ひかりさんって女優さんとして面白いですよね!!
そもそもは沖縄アクターズスクール出身アイドル。いい噂を聞いたことがない事務所所属のFOLDER。
ユマニテを経て今はフリーでやっているんで良かったですね。
非常にユニークな演技で、黒柳さんを演じたり園子温と揉めながら映画撮ったり・・😆

****
さて作品ですが・・
駆け落ちをして離れた田舎にある実家の工場。
父は余命僅か・・。
パートの奥様たちからバッシングを受けながら、東京から付いてきてしまった変な男とその娘を交えて懸命に”生きる”女子が描かれます。
(前に観ていたはずなんですが、ところどころしか覚えていませんでした。すみません!!)
****

石井さんの映画ってとっかかりがね、喉元に違和感を感じつつも、気が付くと心に棲んでいた何かがブルブルと震えだすんですよね!

当たり前ですが、”生きる”ことって”死ぬ”ことと背中合わせであって、一様に皆に夢や希望があるわけではなく、挫折や理不尽な圧に苦しんで諦めて過ごす人もいるわけで・・。「中の下」って自分を評して・・「女って複雑なんだよ」と幼い子にのたまう女子もいるんです。

なんかね、勝手に持ってるイメージですが、石井監督って佐野元春さんみたいだなって。
自分の過去の発言や作品にいい意味で責任を持たず、”今”を生きてる。それも懸命に。当然”今”ってのは過去があってこそのものなので無関係ではないにせよ、そんなものすべて背負っていたら苦しくて何も言えなくなるだけですよね。だから人間って忘れる能力がある。


「旅が終わったら家帰るんだよ」