「ハスラー2」
「ハスラー」から25年後に制作された続編。マーティン・スコセッシが監督を務め、前作でも主人公を演じたポール・ニューマンと若かりし頃のトム・クルーズが出演しており、ニューマンは本作でアカデミー賞主演男優賞を受賞している。
この25年間で、ハリウッド映画の撮影方法や展開の見せ方に変化があったことが分かる。前作とは全く異なるテイストでエンタメ度が増し、緊張感や芸術性はかなり減った印象。ビリヤードの球がポケットに入っていくまでの過程を前作よりも近距離から撮影しており、球からの視点の様な映像があることも特徴。ただこれが作品の魅力になっているかどうかは微妙。
本作を観て一番に思ったのはピクサー映画の「カーズ」だった。同作でニューマンはレジェンドレーサーの役を演じており、ルーキーであるマックイーンに教えを施す。そしてシリーズ3作目でマックイーンは自らが教える立場になる。「カーズ」の1作目は恐らく本作からインスパイアを受けた作品なのだろう。それであれば、そろそろトム・クルーズ主演でシリーズ3作目が作られてもおかしくないのかもしれない。
前作に比べて一般大衆に「観やすい」映画になっているのは確実だが、それが直接作品の評価に繋がるわけではないことを再認識した。3作目が制作されたら嬉しいなぁくらいに思っておく。
