内容はSFではあるものの展開は完全にホラー。CG技術などに頼らずとも、無表情の人々がおもむろに近寄ってくるだけで恐怖心を煽ることに成功した監督の手腕には感服。地球外生命体に感染した者は感情を失い、感染してない者を見つけては仲間に取り込むが、その判別方法が目視なので、感情を隠せばバレないという設定ではあるものの、感染者にも関わらず微笑を浮かべたりする者もいたりと、どこからどこまでが感染者の特徴なのか気になった。ただその辺の線引きが曖昧なお陰でキャロルが感染者の芝居をして、彼らと食卓を囲むシーンはスリルがあって面白い。深夜に観たからか、キャロルが必死に睡魔と戦うシーン(眠ったら感染するので)は共に睡魔と格闘しながら苦悶していた(映画がつまらなくて睡魔に襲われたのではなく、眠りたいのに眠ってはいけないキャロルに感情移入し過ぎて)。ただオチが弱い。シャマランの『ハプニング』同様、入りは完璧で惹きつけられるが、結局ワクチンで、知的生命体の本来の姿というか、これと言った答えが無いのははちと寂しい。