義民伝兵衛と蝉時雨

原爆の子の義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

原爆の子(1952年製作の映画)
4.3
10年ぶりくらいに鑑賞。広島に原爆が落とされて75年。今年も人類史上最悪の過ちといっても過言ではない黒い歴史を振り返る季節がやってきた。人類史上最大の無差別大量殺人。死亡者数は約14万人。本作には被爆から7年後の広島が映し出される。原爆の被害から徐々に復興していく街並み。原爆の後遺症に苦しむ人々。消えることのない途方もない悲しさと苦痛が依然として漂い続ける。しかしその悲しさに寄り添って手を握る人間の温もりもある。悲しみの中の温かさに涙が出る。全体的に温かさに溢れた反戦映画。広島の食らった途轍もないダメージは想像することしか出来ないが、残されたフィルムが想像力を手助けしてくれる。被爆から7年後の広島を見て感じて、これからも後世に伝わっていってほしい作品。