爆裂BOX

斬撃 -ZANGEKI-の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

斬撃 -ZANGEKI-(2009年製作の映画)
3.1
街に謎のウイルスが蔓延し、人々は凶暴なゾンビと化してしまう。タオの率いるゾンビ狩りを行う民間組織「ハンター」のチームは、病院に生存者がいるという情報を入手し…というストーリー。
スティーヴン・セガール主演のゾンビ映画として評判呼んでたゾンビ映画です。
病院内に身を隠していたモーガンら6人の民間人は、食料や燃料が底を尽きかけたことから病院からの脱出を決意し、行動に移る。また、タオのチームも生存者を救出するために病院へと向かう。一方、政府の決定により、タオや生存者達のいる地域が6時間後に爆撃されることが決定する、という内容です。
あのスティーヴン・セガール大先生がゾンビ映画に出るという事で、存じをバッタバッタと格闘でなぎ倒していくような燃える展開を期待したんですが、まず、セガール先生の出番は少なめです。更にセガール大先生ともなればゾンビ相手でも無敵なので、刀振り回したりショットガンぶっ放すだけでゾンビを瞬殺しちゃうのでアクション自体も少なめです。
前半は、病院内に逃げ込んだ生存者達が発電機の燃料が切れて病院の唯一の出口が閉じられる前に脱出しようとする姿がメインで描かれてて、その合間にセガール演じるタオをリーダーとするハンターたちが街をうろつきながらゾンビ達を倒していくシーンが挟まれます。病院内のシーンも生存者達が一応、出口探してるんだけど、あてどもなくウロウロする姿がダラダラ描かれていきます。バンバン死んでいくかと思ったんですが、中盤過ぎまで一人も死なないのはちょっと意外でしたね。逆にハンター達と合流してから雑にドンドン死んでいってましたね。ハンター達も生存者達救助に来たかと思ったら、そのまま警護すること殆どなく彼らだけで行動させたりするからドンドン死んでいくんですよね。
メインの登場キャラの個性も殆ど描けてないので感情移入もし辛いんですよね。ハンター達のキャラも殆ど描きこまれてないからこちらも感情移入できないし。女性二人とか本当にいるだけという感じで、特に活躍するシーンも描かれずに退場しちゃいましたね。
アクションシーンでは、セガール大先生をサポートするタノアイ・リードが軽機関銃乱射したり、ダガーナイフみたいなの使ってキレのいいアクション見せてくれました。見せ場もこちらの方が多かったですね。
登場するゾンビは…というかこれってゾンビなのかな?一応人肉も食ってるみたいだけど、基本は血を吸うし日光にも弱いとヴァンパイアと言っていいんじゃないかな。登場人物も「ヴァンパイア」って言ってますし。知能低くてウガウガ言いながら襲い掛かってくる様は走るゾンビみたいでエスが。理性と知能ある少女の個体や、その娘に守ってもらう代わりに生存者拉致してご飯にしようとする奴や、喋る個体も出てきますが、特に物語に活かされる事もなく。犠牲者のバラバラになった手足や肉片を貪ってたり、内臓露出した状態で吊るされた死体や、同じく内臓むき出しで食べられてる犠牲者といったゴア描写を結構盛り込んでたのは良かったですね。
「今では少数派になった我々の方が怪物なのかも」という「地球最後の男」を思わせる台詞も出てきますが、ただ台詞で出てくるだけで、それを活かした展開も無かったのは残念ですね。
ハンターや生存者達のいる地域が軍により空爆が決定し、そのタイムリミットが迫っている!?という要素も、主人公達にそれが伝わってないからハラハラ感も感じられませんでした。
生存者達がピンチに陥ったタイミングでセガール大先生が登場してゾンビを瞬殺して助ける美味しいとこどりな場面が何度も出てくるけど、これはこれでお約束として楽しめました。
セガール大先生が出演しているという以外は正直微妙過ぎるB級ゾンビ映画ですね。まあ、ゾンビ映画見慣れてる人なら普通に見れるレベルかなとも思いますが、正直これ見るなら他のセガール映画か普通のゾンビ映画見た方がいい気がします…