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ガブリエル
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『ガブリエル』に投稿された感想・評価

菩薩
4.0
人類の大半がスマホ見るかiQOS吸ってないと道すら歩けなくなるくらいますます自称健常者と障がいを持つ者との境界が曖昧になりつつある昨今こう言う映画はもっと観られるべきだと思ったが2013年の映画だった。綺麗な映画であるが綺麗事に終始しているわけでは無い。保護と制約、ケアと依存、自立を望みながらも糖尿病の持病も併せ持つ為なかなかに困難な主人公の生活と性愛についての話で、理想だけでは上手くいかない現実についてもしっかり目を向けている。ケア側にはケア側の人生があり被ケア側にも被ケア側の人生がある、互いに1人の人間としてその人間が幸福を追求する権利を阻害しない為には互いがケアの依存から脱却していかねばならない。相手側の母親が向けてくる障がいを持ち、かつ妊娠可能性を持つ女性である事に対する冷徹な視線をリベラルにかわそうとする姉であるが、彼女は彼女で限界を感じているからこそ「外部」からの意見が的確に刺さる。合唱団は共助の象徴として充分に機能しているし、クライマックスのコンサートはこの映画自体を見事な感動で包み込んでいる(の直前までナニしとんねんであるが…)。プレゼントとして職業訓練で作った木箱に自分の家までの地図を入れて渡す策士ボーイ、道のりは困難であろうがきっと大丈夫であろうと、根拠はなくとも自信に溢れた良い映画だった。
reb
3.1
「サム•フリークスvol.35」ユーロライブで鑑賞。
ウィリアムズ症候群の女性ガブリエルは、モントリオールの障害者合唱団でマルタンと出会い、2人は恋に落ちるが‥。

ウィリアムズ症候群とは先天性の遺伝子疾患で、運動能力や言語力の遅れがみられ、エルフのような顔つきが特徴らしいが、本作でガブリエルを演じている、実際の当事者でもあるガブリエル•マリオン=リヴァさんは、笑顔がめちゃキュートで魅力的。

時々大好きな姉の家に泊まるが、障害者施設で暮らし、合唱団の練習は施設からバスで通うガブリエルは、毎回家から母の運転する車でやって来る歌の上手いマルタンと出会ったことで、自立したいと強く願うようになる。

ふたりがイチャイチャしているところを見つかり、マルタン母とガブリエル姉が呼び出される。
「避妊手術はしてないの?」とガブリエルに向かってヒドい言葉を投げかけるマルタン母に、姉は「息子さんこそパイプカットなされば」と応戦。

結果、外出禁止となってしまったマルタンに会いたくて、ガブリエルは施設を抜け出し、初めてひとりで街に出てバスに乗りマルタンのバイト先のペットショップに行くが彼には会えず。
糖尿病を患い、少しのことでもパニックになってしまうガブリエルは、自分がどこにいるのかも分からなくなってしまう。

本作は障害者同士の恋愛の難しさを、真正面から逃げることなく描いた作品で、愛を貫こうとする若いふたりの姿にハラハラしながらも、その純粋さに心を打たれる。

カナダ、モントリオール出身のルイーズ•アルシャンポー監督。他の作品も観てみたくなった。
4.5
あと50年かかってもカナダの2013年作品である本作には到底辿り着けないであろう、日本の障がい者を取り巻く生活環境。いわんや障がい者同士の恋愛やセックスをや。本邦では障がい者同士の恋愛⁈セックス⁈ってそれだけで眉を顰める者が多数を占めるであろう。もしそういう事態に直面したとしても、良くて本作の主人公ガブリエルの恋人・マルタンのママ、もしくはママより酷く意地悪な性根を剥き出しにする人が多数だと思う。(マルタンのママはただただマルタンが心配なだけで、深く話せば徐々に理解を示してくれそうな人ではある気がする。)

この映画ではガブリエルはじめ障がいを持つキャスト皆とにかく生き生きキラキラしてるのが良かったなあ。当たり前なのかもだが合唱団の皆さん、皆歌が上手い!

障がい者が共同で暮らすシェアハウスで、皆のサポートしてくれてる健常者の男性がいるんだけど、この人も、合唱団のコーチも、全然障がい者の一人一人を特別扱いしないし、上に立って偉そうに文句や説教を垂れたりしない。あくまでフラットなのが当たり前であって、サポートはするけど余計な手出し口出しはせず一人一人の意思を尊重する。監視なんてもちろんしない。それが日本でも当たり前になるともちろん良いのだろうけど、道は果てしなく遠そう。。

しかしガブリエルとマルタン、あんなステージの本番が差し迫ってる場面でよくぞ、、観てるこちらが「間に合わねー💦」って焦りまくってしまった。しかもその後何事もなかったようにステージに立って歌うなんて、あんたたち凄すぎる。。

ガブリエルとマルタンの行手には困難が待ち受けるかもしれないが、サポートを得ながらもきっと幸せに暮らせる未来があるはずだと確信できる、最後までキラキラした映画だった。

「サム・フリークス vol.35」にて鑑賞