けーはち

ララミーから来た男のけーはちのレビュー・感想・評価

ララミーから来た男(1955年製作の映画)
3.2
弟の仇を捜して現れた元軍人ジェームズ・ステュアートの巻き起こす復讐劇。正統派の西部劇かな、と思いきや意外にも複雑な人間関係の愛憎が特色で、それらが絡み合い収束する終盤になるほどサスペンス性が高まってきておもしろい。その反面ガンファイトはアッサリだし、何より演出の問題なのか、劇中あるいは1955年公開当時の人間の感覚が現代人の感覚と違いすぎるせいなのか、話の展開に飲み込みづらい点も多々。いや、西部劇で現代の常識を外れた粗暴なヤツが現れて唐突に破壊や暴力の行使が始まったりするのは、割といつもの話なんで良いんだが……そもそもの端緒である主人公の弟の仇について、アパッチ族に撃たれたまで判明しているのに、主人公は「アパッチ族に武器を持たせたら暴れるのは仕方ない。アイツらに武器を売った奴が弟を殺したも同然の仇だ」みたいな論理で動いていて、これが公開当時映画を観ていた人にはすんなり飲み込めるものなのか、当時としても苦しい展開なのかは何とも分からないところだ。