けーはち

大人は判ってくれないのけーはちのレビュー・感想・評価

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
3.0
トリュフォー監督によるヌーヴェルヴァーグの代表作であるが、現代の目で見て何が尖っていて何がすごいか何が面白いかと言われると、その特徴は時経て大分普遍化しており、「いまいちワカンネーっす」となる。題は直訳すると「四百叩き」で「バカやらかした」みたいな慣用句らしい。悪童が嘘に嘘を重ね、窃盗を働き、ついには少年鑑別所に送られ、みたいな不良転落話だが、そもそも両親に望まれていない子だったという生育環境の問題があり、「大人は判ってくれない」っていうか両親視点では「判る気もないし正直スキあらば厄介払いしたくて鑑別所送りは願ったり叶ったり」という感じ。トリュフォー監督の私小説的な話が軸らしく、生々しいドキュメンタリーチックな撮り方も踏まえてそういうタイプの作家性の強い映画っていうのが新しかったんだなぁといったところ。