イチロヲ

ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
美人優等生と麻薬中毒者の二面性をもつ女子高生が、虚実が混交する精神状態に落ち入りながら、恐ろしい殺人鬼のイメージを具現化させていく。人気テレビドラマ「ツイン・ピークス」の答え合わせを(投げやり気味に)描いている、サスペンス・ホラー。

詳細を省いている自動記述法、放送倫理の制限を突破しているエログロ描写、膨大な量の削除シーン、主要人物・ドナ役の女優交代劇。紆余曲折の末に公開へと踏み切っているため、当時のファンを困惑へと陥れたことでも有名な作品。

物語内容は、「赤い部屋(人間が潜ませている悪の心)」の存在を前提として、「被害者に何が起こったのか?」を語っていくもの。「麻薬でラリる=意識が拡大する=負の作用が起こる」の連鎖を根幹にしており、半醒半睡のトランス描写を楽しむことができる。

主人公ローラが女子高生に見えず(当時25歳の女優)、内面的葛藤がイマイチ伝わってこないが、女優のフィジカルな演技は見応え抜群。苦し紛れと力任せのフィルム編集が、全編に渡って感じられるところも、また一興。
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