このレビューはネタバレを含みます
ウォーターゲート事件を追求した新聞記者達の姿を描く、アラン・J・パクラ監督の実録ドラマ。
1972年6月17日、民主党本部に侵入した5人の男が逮捕される。ワシントン・ポストの記者二人が、この事件の背後に潜む大きな陰謀へと迫っていく。
"All the president's men"
『ペンタゴン・ペーパーズ』から続けて鑑賞。オープニングのオフィス侵入シーンが見事にリンクする。
新聞記者の地道な取材過程を見る作品。
人物名が多すぎて途中から誰が誰だか分からなくなったが、事件の結末は知っていたので問題無しとした。『ペンタゴン・ペーパーズ』より余白が多くて、闇の大きさ深さを存分に感じられるところが好み。
途中に挿入される俯瞰ショットや"ディープ・スロート"の顔の明るさに注目すると、ストーリーの方向性が何となく掴めた。※
ダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォードのW主演。この2大俳優が電話と聞き込みによるとても地道な調査を繰り返す。映像映えはしないが、仕事に対する使命感や熱量が伝わってくる。電話を掛け続けるレッドフォードをアップ長回しで撮ったシーンが印象的。レッドフォードがイケメンで何より。笑
TVに映る就任会見のニクソンと、脇目も振らず仕事に専念する二人の姿を同時に捉えた終盤のショットが見事だった。
この手探り状態の泥臭い調査で大きな闇に迫っていくプロットは、デヴィッド・フィンチャー監督『ゾディアック』に大きな影響を与えている。
👔レッドフォードの茶系のスーツスタイル。
"Half the country never even heard of the word Watergate. Nobody gives a shit. "
"Rat fucking"
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※【俯瞰ショット】
①二人が図書館で貸し出し表を調べる。カメラがどんどん上がっていき、机と椅子の配置が迷宮のように見える。
②四角で囲まれた駐車場から車で外へ。
③車が両側に木の生えた暗い道へ入っていく。俯瞰ショットで街全体を映し、昼から夜に切り替わる。
【謎の情報提供者"ディープ・スロート"】
顔の明るさの変化。真っ黒→顔の約半分が見える→顔の約4分の1だけ見える