とある街のそれなりに皆がアレコレを抱えている日常生活を前振りとして1時間丁寧におこなった上で、銀行強盗勃発で一気に根底から崩す。ああ日常って儚いね、と。やりたい事は何となく伝わる一方で、構成が効果的だったとはあまり思いませんという感じ。小説原作らしいので迂闊なことは言えないけど、「現実を見なきゃいけない」「何もかも途中で終わってしまうのが人生」「英雄なんていない」みたいな台詞は70年代のニューシネマなフライシャー傑作群のスタンスを先取りしているようでフ〜ムと。シネマスコープと奥行を駆使した画作りが多いので、その観点でチマチマ面白がるのも良いかも。