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レッドクリフ Part Iのべるのレビュー・感想・評価

レッドクリフ Part I(2008年製作の映画)
3.3
2008年11月18日に書いていた感想をブログから書き写しました。


「レッドクリフ パート1」
見てきました。
三国志の破天荒な世界観~しかも今回は正史ではなく演義を基にしていると言うことで、よりいっそう非現実的なこのエピソードと、ジョン・ウーとの相性は良いと楽しみにしていました。

いきなり余談ですが、赤壁の戦いって三国志(正史)本文ではたった55語なんだそうです。
「水軍80万」も「曹操からの脅迫文」もまったくのフィクション。それどころか208年当時、孫権は呉には居ないですし、孔明の活躍も「曹公敗於赤壁引軍帰業」としか書かれていません。映画では曹操軍の侵攻ルートも殆ど南下に近い形です。

今回映画になったのは14世紀に書かれた「三国志演義」という、まぁ水戸黄門のようなものが原作なので、各々行動に理由がなかったり浅かったり、演出が派手すぎたりやり過ぎたりしていますが、まぁご愛敬。アクション映画としては超大作に仕上がってました。

三国志は登場人物がメチャクチャ多くて、ライトに見ると把握しきれなくなりそうですが、今回はかなり整理していて解りやすかったのではないでしょうか。舞台が呉なので、呉の武将や軍師は結構ちゃんと描かれています。なんたって甘寧(映画では甘興って呼ばれてました)が中村獅堂ですから。逆にしょうがないことながら魏の関係者は殆どオミットされています。ボクの好きな曹彰はともかく、荀彧や賈詡も出番はありません。曹操の部下は無能で寧言を吐くステレオタイプな奴ばっかりですw。
個人的にはエピックレベルの方々がちょっと普通のオッサン過ぎるので、劉備を手長・福耳にしたり、関羽の髭をもっと増やして欲しかったのですが、それでも重要な人物には執拗に名前のテロップを入れるなど、ボーっと見てても解るようになっています。尤も、そもそも三国志を知らない人は見に行かないかw

ジョン・ウーの真骨頂でもある戦闘シーンはメチャメチャカッコ良かったです。敵の武器を利用する関羽(大事な青龍偃月刀投げるなよw)、素手の張飛(蛇矛は?)とかもカッコ良いからアリかな?ちゃんと趙雲は阿斗さまを抱いて敵陣突破しますし、なにより曹操軍の戦艦数百隻が長江を下る様は壮観!このシーンだけでも映画館で見るべきです。八門遁甲の陣を実写で見ることが出来るとは思わなかった(あ、でも、なんか微妙に違う気がしましたが…)。

最後に、小喬がめちゃくちゃ綺麗でした。リン・チーリンていうんですか、モデルさんだそうでボク全然知らなかったんですけど、次作ではCGで大喬と2役を演じてほしいです。尚香(孫権の妹)はベッキーみたいでちょっとウザかったですけど。

三国志好きなら見ておいて損はないと思います。知らない人もこれを機に読んでくれるといいなぁ。
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