
日本海を臨む海岸町の鶴亀座。がらんとした客席を前に関西浪曲師の松中軒雨衛門(金春)が独演するころ、町の銭湯は拍手で沸き返っていた。語るは広田太造(廣澤)、合の手杉野凡作(杉)コンビ。二人の本業は支那ソバ屋である。広田が偶然出前に行った鶴亀座の小屋主(鈴木)から、不入りの原因が彼のやった浪花節にあることを聞かされ、ひどく恐縮する。それとは知らぬ杉野は小屋主の娘おふみに翌日山の滝見に誘われ有頂天である。翌日杉野は勇躍山に出掛けたがおふみの口から意外にも太造への心を打ち明けられ悲嘆に暮れる…。
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