矢野竜子

ミニー&モスコウィッツの矢野竜子のレビュー・感想・評価

ミニー&モスコウィッツ(1971年製作の映画)
4.4
独り身の不器用な人たちが
結婚して独り身でなくなり
社会性を獲得するまでを描いた映画。
大人になりきれない大人たちしか出てこない。
つまりは私のことでもありますが…。
ずっと基本的に2人しか映さないカメラが
それぞれの母親含めて
4人映すようになるシーンは心にクる。
ディスコミニュケーションでひたすら話が
暴力的に強引に転がっていくのが良いし、
冒頭が車内から始まるように
びっくりするほど車映画。
駐車係の主人公がトラックをかっぱらってから
物語が大きく展開することになるわけだが、
車は大人の象徴であり欲望のトリガー。
あの不恰好な後部座席がない
デカいトラックなのも良い。
(やたらUターンする)
車を出たり入ったりを繰り返した末に
車の扉をあけたまま行われる
ダンスシーンも素晴らしい。
2人の世界が社会に広がっていく。
遅れた青春的なプールシーンも良かった。