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ゴッドファーザーのNinjaのネタバレレビュー・内容・結末

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

生と死のコントラストが互いの喜びと哀しみを際立たせている。昼と夜のようにはっきりとした明暗の描き分けと、その切り替わる日没の瞬間に映画を感じる。

第一幕の結婚式のシーンにはこの映画の火種の全部が詰まっている。2回目に観ると色んなことに気づくシーンだ。
賑やかな祝い事のシーンでは明るい陽の下で歌や踊り、酒や料理が振舞われみんなリラックスした表情をして祝い事を楽しんでいる。一方でドンの部屋では皆トーンを落とした声でボソボソと喋り、緊張して後ろ暗い相談をしている。

誰もがドンを尊敬しているが、恐れてもいる。ドンはこの明るい世界と暗い世界の境界線に立って彼なりの秩序を保っていた人物だ。
しかしそのドンが撃たれてしまう。善悪の境界は揺らぎはじめる。堰き止めていた暴力が雪崩れ込んでくる。

息子のマイケルはまさに善悪の揺らぎを体現している主人公だ。ストーリーと共に善の世界から悪の世界へ進んでいく。シチリアで身を固めて悪の世界から遠のくチャンスもあったが、悪の世界はそれを許さない。新たな善悪の関に立つ門番としてアメリカに引き戻される。
マイケルは父とは違って殺しもやるし嘘もつく。
善悪の境界線は以前より後退してしまったが、それによって守られたものもある。

三時間も長くは感じない映画でした。
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