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ゴッドファーザーのtackyのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
4.8
とても悲しい物語である、

多くの移民や人種のるつぼであるアメリカ。でもその中で何故か、イタリア系移民に対する差別は酷く、それは自ずと自分達の力で身を守る自警組織「コーザ・ノストラ」の誕生に繋がり、やがて反社会的組織「マフィア」となっていく。

そしてその中での権力争い、力と力、血と血で自分の「ファミリー」を維持する為に、他の「ファミリー」を潰す。

そのアメリカの裏社会を完全なフィクションとは言え、初めて表に出したマリオ・プーツォと映像にしたコッポラは素晴らしい。

紆余曲折の末、ヴィトーの跡目を継いだマイケル。
甥児の名付け親「ゴッドファーザー」の神聖な儀式と
血と暴力で全てを手に入れる殺戮のシーンを、並行に描く演出には、戦慄を覚えた。

そして何よりも、
ファーストシーン、困り事を力で解決して欲しい「友人」を「ドン」ヴィトーの背中越しに観せ、
ラストシーン、同じ部屋でマイケルが、閉まるドア越しのダイアン・キートンの表情に、その世界の「ドン」になるところが繋がり、この物語が終わる。

何度見ても素晴らしい。
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