じょうパン

ゴッドファーザーのじょうパンのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
4.5
めちゃくちゃ名作で面白いと言われていても、3時間だと少し手が出しにくかったので、新年なので腹括ってついに観賞しました。
もっと早く観とけば良かったなと思うくらい、面白かったです。名作と言われる理由が分かったような気がします。

◻️脚本
マフィアという裏社会の世界の物語で、非日常感の世界なので観ていて楽しかったです。その中で日常で起こりうる事なのかなと感じさせらた瞬間もあるので非日常と日常のバランスが丁度良かったです。
またマフィアの世界の中での家族愛も非常に良かったです。マフィアは平気で人を殺したりする中で「ファミリーに楯突く者の盾は持つな」というマイケルのセリフや妻や子供には優しく寄り添い、女性を馬鹿にせず尊敬し、礼儀正しく振る舞う姿を観ると、もちろん人を殺すのでマフィアのは悪いですが100%の悪ではないんだなと、嫌いにはなれない人物や物語の設定になっていて凄く良かったです。
また今作では主人公がコルレオーネ、トム、ソニー、マイケルと誰が主人公か決めつけれないくらい一人一人の物語がきちんとしていて、私が今までに観た映画ではこんなに複数主人公で土台がちゃんとしているのは初めて観たので、少しだけですが凄い名作と言われる理由がわかりました。
他にもキャラクターの物語がきっちりしているというのにに加えて、コルレオーネの暗殺、ソニーの暗殺、アポロニアの車爆殺、マイケルの暗殺計画、コニーの暗殺など物語途中で「え!?マジで?」という予想できない物語の展開なので飽きずに集中して観れました。殺される瞬間は悲しかったり痛々しいけど、何処かでこの展開を求めている自分がいましたww

◻️キャラクター
コルレオーネは裏社会のドンで、普通だったら皆恐れて怖いキャラクターですが、振る舞い方や言葉遣いが丁寧で「復讐をして息子が帰ってくるのか?」などのセリフでそんなに道徳心が欠けていないのが魅力的で嫌いになれないキャラクター設定で素晴らしいなと思いました。
またマイケルは最初はオドオドしていますが、2人を殺し1人シチリアに行き、妻を殺されてからが凄く怖いなと感じました。でも愛していた妻を殺されたのなら無理はないかなと思いました。ただ普通にケイの事を考えずに結婚して、戻ってきてたからケイと結婚するのは全く同情出来ないなと感じました。中盤ではいいキャラクターでしたが後半はあまり好きではなくなっていきました。パート2以降汚名返上してくれる事を願います。
あともちろん2人の演技は上手かったです。

◻️映像
最初の暗闇からカメラを後ろに引いていく長回しがカッコよかった。
太っているピーターが車から降りて小便するシーンでの車が到着した時の映像の画角が周りが麦畑の中に車1台でポツンと感というか冷酷さが現れていて良かった。またラストの妻がお酒をとりに行ってる時にドア越しに映るマイケルの画角も良かったです。

◻️まとめ
冒頭でも言ったように3時間というだけで、避けていた作品ですが観てめちゃくちゃ良かったです。あまり気になるところが少なかったので物語に入り込めました。ただマフィアの一族の奥さん達はやはり最初は夫がマフィアだと知った時誰しもラストのケイのような反応をすると思いますが、あまり女性のシーンはなかったので暗黙の了解的なのかなと感じましたが、女性が人殺しをするマフィアの夫に対してのシーンが少し欲しかったかなと個人的には思いました。まだ2作残っているので何とも言えませんが、パート1は非常に面白かったです。
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