ダルマパワー

ロッキーのダルマパワーのネタバレレビュー・内容・結末

ロッキー(1976年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

こんなに心を昂(たかぶ)らせる映画は他にない。気持ちを乗せる音楽と観客の声援、困難に立ち向かう不屈のロッキー。支え応援するエイドリアン。アポロもまた本物であり、意地を見せる。ロッキーを支える、アメリカらしい個の強い友人達の存在もいい。

まるでそこにいるかのように感じられるカメラワークも見応えがある。リングの中から試合のシーンをとらないのは、恐らくボクシングそのもののリアルさを追及するためだと考える。少し下からのアングルでロープ越しに見上げる画角は、セコンドや観客の感覚を観ている人に与え臨場感を煽る。

試合を見る人々の表情が節々に差し込まれ、緊張が伝わり、展開を一層盛り上げる。

後半に進むにつれてカットのテンポも上がり、映画のクライマックスを伝える。

脚本がシルベスタースタローンというのも面白い。自分が描いたストーリーを自分が演じる。安直な考えだが、だからこそ、こんなに迫真の演技が出来るのかなとも思った。

動物好きで、仲間を見捨てない優しい主人公、という設定も、観ている人の共感を促す大きなスパイスになっている。

みんなのヒーローロッキー、最高だ。

個人的に一番好きなシーンは、犬のバッカスをロッキーにプレゼントするエイドリアンが、ロッキーに『こいつは何を食うんだ?』と質問され、本気か冗談かわからないが『小さい亀よ』と答えるシーン。ロッキーが大切にしてきたペットが餌に…。笑 エイドリアン史上最も洒落たコメント。
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