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キャンプ・ミアズマ ティーンのセックスと死の作品紹介

キャンプ・ミアズマ ティーンのセックスと死のあらすじ

B級ホラー映画のリメイクを依頼され、ロケ地にやってきた女性監督が遭遇する奇妙な出来事を描く。

キャンプ・ミアズマ ティーンのセックスと死の監督

ジェーン・シェーンブルン

原題
Teenage Sex and Death at Camp Miasma
製作年
2026年
製作国・地域
イギリス、カナダ、アメリカ
上映時間
112分
ジャンル
ホラー、コメディ

『キャンプ・ミアズマ ティーンのセックスと死』に投稿された感想・評価

[その瞳に映るものは] 90点

大傑作。ジェーン・シェーンブルン長編三作目。前の二作はサンダンス映画祭でのワールドプレミアであり、知名度も上がったのでそろそろ次作は三大映画祭のコンペに入るんじゃないかと思っていたが、カンヌ映画祭"ある視点"部門のオープニング上映作品となり、クィアパルムを受賞した。物語は『13日の金曜日』と並んで長い歴史を持つとされる架空のフランチャイズ系スラッシャー映画『キャンプ・ミアズマ』とそのシリーズを主軸にしている。これはリトル・デスという『サイコブレイク』の金庫頭の"ザ・キーパー"みたいな見た目の殺人鬼が湖の底から出てきて銛でカウンセラーたちを殺して回る映画だ。シリーズを経るごとに評価は落ちていったが、近年になって一作目がクィア文脈で再評価された結果、主人公クリスは当事者として現代的再解釈を含めた再々リブート作品の監督を任されることになった。重度のミアズマオタクであるクリスは、一作目のファイナルガールとなって以降、映画界から引退し隠遁生活を送っている女優ビリーのもとを訪れる。そこはかつてミアズマ映画を撮影した寂れたキャンプ場だった…云々。本作品では前作と同様に映画の中へ出入りすることを描いており、構造としては前作以上に映画と映画内映画の間を自由に出入りしている。それは前作同様に、クリスにとって子供時代に観たシリーズ一作目『キャンプ・ミアズマ』がクィア自認を最初に得た作品だからだ。『ピンク・オペーク』のように、作中で何度も一作目の場面が引用される。そして、それは毎回同じ場面で中断される。セックスどころか恋愛にすら消極的な主人公(若き頃のビリーが演じている)が、熱烈なオファーに流されてチャラ男とセックスしている際に、リトル・デスに襲われる場面だ。荒い息とPOVで近付いてくるリトル・デスを、主人公はしっかり見ているが、声を上げることもチャラ男に伝えることもしないまま、その目でリトル・デスの接近を捉え続けるのだ。リトル・デスのPOVは前作と同じく、自分の人生を"物語を見ているみたいだった"とする視点と似ていて、だからこそ二人の視線が交錯する瞬間は、観客を映画の中へ誘う瞬間として、クリスを映画内映画へ誘う瞬間として、宙吊りされ開け放たれ続ける。出入りは自由のはずだ。そこは隠れ場所であると同時に、リアルになりすぎたら、いつでも消していいものでもあるから(これはVHS化されたときのキャッチコピーだったらしい)。

一作目の主人公は、ポリアモリーを自認しつつ、セックスは"気が散るもの"として遠ざけているクリスにも重なってくる。何に"気が散る"のか?クリスは"自分がスラッシャー映画の登場人物になることを想像している"と答えていた。つまり、クリス自身は映画の世界に囚われているのだ。映画を"終わらせる"ためにはクリスが自らファイナルガールとなって映画を動かしていくしかない。ビリーの存在はある意味で、映画の中で生き続けることを選んだクリス本人を見ているようで、だからこそ映画から出ていくために、上記の通りにビリーとしてリトル・デスと視線を交錯させる必要があるのだ。しかし、それは呪縛から逃れるためではない。自由に出入りするための"鍵"を手に入れるためだ。
★★★liked it
『Teenage Sex and Death at Camp Miasma』 
ジェーン・シェーンブルン監督

スラッシャー&クィア
ハンナ・エインビンデル as クィアの映画監督クリス
&ジリアン・アンダーソン as 元女優ビリー

トラウマや社会的抑圧を
”クィア的ファンタジー”によって再解釈、
自らのものとして取り戻し、快楽へと昇華させる。

Trailer
https://youtu.be/dimCiC_hdoA
sonozy
4.5
『We’re All Going to the World’s Fair』『I Saw the TV Glow』に続くジェーン・シェーンブルン長編第3作。
カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でクィア・パルムを受賞。

架空の80年代スラッシャー映画シリーズ『Camp Miasma(キャンプ・ミアズマ)』を現代向けにリブートする計画を任された女性監督クリス(ハンナ・エインビンデル)が主人公。

『Camp Miasma』は全14作も制作され衰退したとういうシリーズで、Little Deathという名の殺人鬼が湖底から現れ、キャンプ場に来ていた人々を次々に槍で殺しまくるというもので、クリスは8歳の頃にこの1作目を見て衝撃を受けて以来熱烈なファンでもある。

そのシリーズ1作目のファイナルガール役を演じたビリー(ジリアン・アンダーソン)は現在は映画が撮影されたキャンプ場に隠遁し、芸術制作をして一人暮らし。
彼女を訪ねたクリスは、奇人めいたビリーに警戒しつつ、次第に惹かれ、自身の抱えている性的トラウマについても語り...

ストーリーも秀逸ですが、冒頭に登場するこの架空シリーズのVHSジャケットやグッズ、ファンダム、記事などの映画愛溢れる作り込みの楽しさ、主役二人のキャスティング、"Little Death"の造形、怖さと遊び心のバランス、見る/見られる視線が溶けていく感覚...
シリーズ1作目のビリーを演じたアマンダ・フィックスも魅力的。

32歳の時にトランスジェンダーであることをカミングアウトし、名前をダニエルからジェーンに変え、トランジション(性別移行)したシェーンブルン監督が、「トランジション後、初めて自分の身体の中にいる感覚を映画化した作品」と語っているそうで、クリス、ビリー、オーガズムの比喩でもある"Little Death"によって、クィアとしてのトラウマ、心理、そして解放を描いているのが素晴らしい。

※ハンナ・エインビンデルは俳優/スタンダップコメディアンで、ダークコメディドラマ「Hacks」で、エミー賞 コメディ部門・助演女優賞を受賞している方なんですね。

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