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Teenage Sex and Death at Camp Miasma(原題)
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『Teenage Sex and Death at Camp Miasma(原題)』に投稿された感想・評価

[その瞳に映るものは] 90点

大傑作。ジェーン・シェーンブルン長編三作目。前の二作はサンダンス映画祭でのワールドプレミアであり、知名度も上がったのでそろそろ次作は三大映画祭のコンペに入るんじゃないかと思っていたが、カンヌ映画祭"ある視点"部門のオープニング上映作品となり、クィアパルムを受賞した。物語は『13日の金曜日』と並んで長い歴史を持つとされる架空のフランチャイズ系スラッシャー映画『キャンプ・ミアズマ』とそのシリーズを主軸にしている。これはリトル・デスという『サイコブレイク』の金庫頭の"ザ・キーパー"みたいな見た目の殺人鬼が湖の底から出てきて銛でカウンセラーたちを殺して回る映画だ。シリーズを経るごとに評価は落ちていったが、近年になって一作目がクィア文脈で再評価された結果、主人公クリスは当事者として現代的再解釈を含めた再々リブート作品の監督を任されることになった。重度のミアズマオタクであるクリスは、一作目のファイナルガールとなって以降、映画界から引退し隠遁生活を送っている女優ビリーのもとを訪れる。そこはかつてミアズマ映画を撮影した寂れたキャンプ場だった…云々。本作品では前作と同様に映画の中へ出入りすることを描いており、構造としては前作以上に映画と映画内映画の間を自由に出入りしている。それは前作同様に、クリスにとって子供時代に観たシリーズ一作目『キャンプ・ミアズマ』がクィア自認を最初に得た作品だからだ。『ピンク・オペーク』のように、作中で何度も一作目の場面が引用される。そして、それは毎回同じ場面で中断される。セックスどころか恋愛にすら消極的な主人公(若き頃のビリーが演じている)が、熱烈なオファーに流されてチャラ男とセックスしている際に、リトル・デスに襲われる場面だ。荒い息とPOVで近付いてくるリトル・デスを、主人公はしっかり見ているが、声を上げることもチャラ男に伝えることもしないまま、その目でリトル・デスの接近を捉え続けるのだ。リトル・デスのPOVは前作と同じく、自分の人生を"物語を見ているみたいだった"とする視点と似ていて、だからこそ二人の視線が交錯する瞬間は、観客を映画の中へ誘う瞬間として、クリスを映画内映画へ誘う瞬間として、宙吊りされ開け放たれ続ける。出入りは自由のはずだ。そこは隠れ場所であると同時に、リアルになりすぎたら、いつでも消していいものでもあるから(これはVHS化されたときのキャッチコピーだったらしい)。

一作目の主人公は、ポリアモリーを自認しつつ、セックスは"気が散るもの"として遠ざけているクリスにも重なってくる。何に"気が散る"のか?クリスは"自分がスラッシャー映画の登場人物になることを想像している"と答えていた。つまり、クリス自身は映画の世界に囚われているのだ。映画を"終わらせる"ためにはクリスが自らファイナルガールとなって映画を動かしていくしかない。ビリーの存在はある意味で、映画の中で生き続けることを選んだクリス本人を見ているようで、だからこそ映画から出ていくために、上記の通りにビリーとしてリトル・デスと視線を交錯させる必要があるのだ。しかし、それは呪縛から逃れるためではない。自由に出入りするための"鍵"を手に入れるためだ。
むちゃくちゃシュールな13日の金曜日。
まさかのクィアパルムでたまげた。