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カルネの8bitのレビュー・感想・評価

カルネ(1994年製作の映画)
5.0
映画の途中で「観覧注意!」みたいな警告がでてビックリします。

毒々しい雰囲気ではありますがテーマはずばり「父親」ではないかと。
突然父親になってしまった男。母親には逃げられ娘への接し方がわかっていません。
風呂に入れ体を拭き服まで着せ、まるで人形ような扱いをしています。
こんな不器用な育て方なので当然娘はまともな言葉すら交わすことができません。
娘が成長してゆくことで体つきも変わり始め男の感情も変化してゆきます。
しかしこれはあくまで娘を女(恋人)としてみてしまう父親としては間違った感情。
そんな矢先、娘を守るために事件を起こし逮捕されてしまう。

娘と離れ自分を見つめなおすことで父性が芽生え始めます。
シンシアへの手紙が感情の変化をよくあらわしています。
バーのオーナーとの間にできた子供の流産を画策しつつ結局実行に移さず、すべてを受け入れたのが彼の父親としての成長を物語っているようでした。

ひとりの男が父親になったことへの不安と娘への感情の迷いを乗り越え、父性に目覚める映画と解釈しました。
このあとに「カノン」を観るとこの親父全然変わってねーじゃんとわかるんですけどね笑。
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