オトマイム

アカルイミライのオトマイムのレビュー・感想・評価

アカルイミライ(2002年製作の映画)
4.5
クラゲ、つめたくて透きとおって光を放ちながら流れている、ひたすらに漂う、ゆらゆらと、なにも考えずに。だけどね毒があることを誰にでも教えてあげるわけじゃないんだ、あいつは気に入らない、だから教えてやらない、噛まれて死んだらいい気味だ。自分は暗闇がすきなんだ、クラゲだってひときわ美しい、だから暗闇にずっといたってかまわない。すこしずつ東京に慣れなきゃいけないし、いつかさよならしなきゃならないからね、そう、いつか。君のことなんか忘れる。君にはアカルイミライが待っている。こんな狭いところから抜け出して。アカルイミライへ。



真っ二つに分断された運転席と助手席、刑務所の面会室、廃品工場、コンピュータがたくさん並ぶ会社。そんな閉じた四角い世界から気持ちよく流れる川への解放。許す、という言葉。あらゆる映像あらゆる言葉がべたりと心に張り付き侵食されていくようだった。