
戦争で家族と日常を奪われた 12 歳の少女・琴子(小八重葵美)は、生き延びるために自らの性別を隠し、“少年”として生きることを選んだ。進駐軍相手の慰安施設や路上売春が広がる時代の中で、少女であること自体が危険となる現実から逃れるための決断だった。音楽家の父(竹野内豊)のもとで穏やかに暮らしていた琴子の人生は、敗戦によって一変し、「自分自身を手放す」という過酷な選択を迫られる。 一方、かつて琴子が疎開した学校の教師・曽根(二階堂ふみ)もまた、戦時中は軍国主義教育に加担していた側だったが、敗戦によって信念も立場も失い、過去の責任と向き合いながら生きることを余儀なくされていた。加害と被害、そのどちらにも割り切れない現実の狭間で揺れ動きながら、それでも今日を生き延びようとする曽根。 “少女”を棄てた琴子はどこへ向かうのか。そして曽根は、再び人として立ち上がることができるのか。戦争によって運命を大きく変えられた二人の、生と再生の物語。
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