サム・ペキンパー監督による戦争映画の金字塔。
1943年ドイツvsソ連のロシア戦線。鉄十字章獲得に執着する貴族出身のシュトランスキー大尉と、彼を軽蔑する戦場の英雄シュタイナー伍長。
"Steiner... is a myth. Men like him are our last hope... and in that sense, he is a truly dangerous man."
癖の強い強烈な戦争映画。敵味方、善悪の境界など存在しない。ただ生き残るために訳も分からず殺し合う戦場のリアルがあった。
ナチスドイツ目線の戦争映画がそもそも珍しいし、主人公がナチス嫌いで、上官に逆らい続けるという設定は異例中の異例。
映像で黙らせる反戦映画。サム・ペキンパー監督らしいバイオレンス描写に圧倒される。爆発量が半端じゃないし、スローモーションとスピーディーなカット割りによる演出が、戦場の残酷さをさらに際立たせる。
戦争と童謡"蝶々蝶々菜の葉に止まれ"♪の対位法。イカれた戦争を前にするともう笑い飛ばすしかないのか。
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