戦争のはらわたの作品情報・感想・評価

「戦争のはらわた」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

 民謡のような歌から始まり、実写フィルムから主人公のシュタイナー伍長の小隊の活躍から一気にツカミがバッチリな出だし。

 何といっても戦闘シーンの迫力たるやものすごいことになっていて、主人公が負傷する最初の戦闘。中盤の殿を騙されるような形でなってしまっての戦闘、そしてクライマックス。とどれもがとんでもない物量でバンバカ爆発して人がどんどん死んでいきます。
 主人公の伍長と名誉欲にかられた新任の上官との対立を軸に誰が何のために戦うのかという戦争の無意味さを描いてる傑作だと思いました。
 
 反戦とかのメッセージではなくひたすら最前線が描かれて行って、人がごみのように死んで行って、命からがら自陣に戻ってきたら……そこに残る悲惨。
 他にも病院で勲章をたくさんつけた無傷の上官と手足を失った部下たちの対比。
 ラストの武器の使い方も知らなかった上官が戦争を行っていたことがわかり高笑いする主人公。

 全編に渡って皮肉な映画で面白かったです。
第二次世界大戦の東部戦線、部下から信頼の厚いシュタイナー伍長は出世欲だけ強いシュトランスキー大尉と出会うが……

『ワイルドバンチ』
『ゲッタウェイ』の
!!サム・ペキンパー監督!!
による戦争アクション映画。
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「この戦争に負けたらどうする?」

「次の戦争に備えろ」


原題: Cross of Iron
※ドイツ軍の鉄十字勲章のこと
からよくもまあこんなえげつない邦題を思い付いたもんだが、名作には変わりのない作品。
ハリウッドの戦争大作なのに、ドイツ側の視点を描いていることで戦争の皮肉さや内部抗争が見れて斬新。さらに”血まみれサム”ことペキンパー監督による得意のスローモーションを活かしたアクションが最高潮に活かされているので、70年代製作とはいえ映像の迫力も充分過ぎるほど楽しめるのだ!ジークハイル!!
そして元銃器オタクとしては使用されている銃火器の数々がリアルでしっかり調べ上げられていてよかった。
まぁドイツ軍の話なのに全部英語なのはご愛想

主演はジェームズコバーン。
『荒野の七人』でクールな役を演じた彼にはこの無骨だけど仲間思いな小隊長の役がピッタリ。
おそらく現場優先で出世欲もなかったからこそ年下に上司とかいるんだろうなぁと考えるとより萌える。
あとは全然知りませんでした。
戦争映画の割に登場人物が覚えやすくてシュッとまとまっていたのも好印象!

監督は『スーパーマン』や『キングコング』のオファーを断ってまで今作の製作を優先したらしいが、それに相応しい傑作。
なにより皮肉なのはドイツで大ヒットしたってことかな?(笑)

「諸君、あの男の敗北を喜ぶな。
世界は立ち上がり奴を阻止した。
だが奴を生んだメス犬がまた発情している」
ーベルトルト・ブレヒトー


戦争映画好き、血まみれサム監督のファン、そしてドイツ側から見る世界大戦を見たい方にはオススメの作品。
ズベ公

ズベ公の感想・評価

4.5
"Do not rejoice in his defeat, you men.
For though the world has stood up and stopped the bastard,
the bitch that bore him is in heat again."
mmm

mmmの感想・評価

4.0
アホみたいな物量と小気味よい編集がカオスな戦争シーンを盛り上げてた。クロスカッティングとスローモーションの多様がクセになる。

兵士の死骸の上を戦車が通過するとこ最高に好き。
なすび

なすびの感想・評価

3.0
早速ペキンパー2作目

ジェームズコバーンの演じる権力や上司に逆らう男は「血と砂」の三船敏郎っぽくてペキンパー監督岡本喜八作品に影響受けたのそういうところかなと思った

今回一番驚いたのは圧倒的な戦車の強さ。今まで映画で見てきた戦車ってイマイチ強さを感じなかったんだけど、あんなにバリバリ地獄の果てまで追いかけてくるんですね!ヤバイ。もう怪物にしか見えなくてグロテスクで気持ち悪かった。泥の上で死んだ人間轢いてたし印象的だった。

ペキンパー2作見たけどどっちも炎の大きさがすごい。バーンって燃えたとき画面いっぱいに炎が上がっててビックリした、これも今まで見たことなかった

忘れられないシーンは病院と女兵士のところ
戦闘シーン中とか戦場ってなんかアドレナリンが働いて血とか人体破壊を見ても感覚が麻痺してて驚かないんだけど、病院とか日常の世界で気持ちが落ち着いている時に顔の傷跡とか破壊された腕を見てギョッとする。主人公の頭がおかしくなってる、っていうのを分からせるカット割りも面白かった
女兵士のとこすごいエロティックなのにやっぱここでもセックスと死が隣り合わせ。最後女に囲まれて今にもリンチされそうだった人はどうなったんでしょう…ブルルッ

戦争映画で自分が一番好き(?)なのは絶え間ない銃撃音爆発音に耳が慣れた頃にふっと映画が終わって訪れる静寂、その余韻がすごくてしんみりしてしまいます。

正直話について行けなくて最後までよく分からなかったのでまた今度はブルーレイで見たい!
今まで観てきた作品は好みの作品が多く、一目置いている監督の1人、サムペキンパー監督。

そのペキンパーが撮ったこれまた好きなジャンルの戦争映画。

そういえば、ドイツ側視点の戦争映画は初めて観ます。
ほかにあるのかな?

オープニングでガツンとやられる。

ペキンパー得意のスローモーション撮影とバイオレンス描写は期待通り。

私見ですが、どちらかというと敵対するロシアとの戦闘よりも、内部の人間関係描写に重きを置いていた印象です。

生きる神話シュタイナー軍曹と、鉄十字勲章にこだわるシュトランスキー大尉。

そして予想を覆すラスト。

「神はサディスト。それに気づいてすらいない」

前回観た作品がフルートベール駅で だったので、余計に説得力が増します。
トラオ

トラオの感想・評価

4.0
登場人物が多く把握しにくいが、戦争映画としては傑作だと思う。
ゴマ

ゴマの感想・評価

4.5
これも名作なのに邦題が酷いこと酷いこと。ホラー映画かよ?しかし「死霊のはらわた」よりもこちらのほうが先に公開されているんだよな。この「戦争のはらわた」の原題は「鉄十字勲章」。
冒頭とラストで流れる少女が歌う童謡「Hänschen Klein幼いハンス」日本では「蝶々」という題名で知られる。その少女の歌声と戦争の悲惨さが対位法的に撮られていて戦争の悲惨さをより一層際立たせている。
クライマックスの戦闘場面では「ワイルドバンチ」よりさらに迫力のある戦闘シーンになっている。「ワイルドバンチ」におけるスローモーション撮影による暴力の描写が凄まじい。
しかしあれを食いちぎられる場面は男にとっては寒気がするきつい描写だなあ・・・
skk

skkの感想・評価

4.2
こんな戦争映画があったのかーと関心した作品。戦争そのものに歴史と情念が詰め込まれてしまっているから、対象化することが難しいなか、この作品はバイオレンスな部分をしっかり味付けして仕上げているところが高評価。童謡と戦争の強烈な組み合わせ、高速の太鼓BGMとフラッシュバックのような戦闘シーンなど、キレキレの編集がたまらない。ラストシーン最高。
「僕の村は戦場だった」でソ連軍VSドイツ軍の東部戦線のことを知ったが、ドイツ軍でも全てがナチスに侵されていたわけじゃないようだ。他の戦争映画でも前線が混乱してくると敵味方の区別がなくなっていく状況が描かれるが、戦闘行為(攻撃行為)そのものの鏡像性を示しているようだと感じた。結局、人間による攻撃は人間に帰されるのだろうか。
だーま

だーまの感想・評価

3.5

戦争とはなにか。
誰がさせてるのか。
なぜこんなに恐いのか。

国の命令で行くしか理由がないが、
人はここまで変わってしまう。

権力はいつだって恐ろしい。

それは例えば学校教育の中でも同じ。

誰かの言いなりで動いたり、
そうしなきゃならない空気感が
いじめとかを引き起こす。

いつの時代だって、共通テーマが
戦争映画に孕んでいる。

そんな気がする。
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