戦争のはらわたの作品情報・感想・評価

「戦争のはらわた」に投稿された感想・評価

子供たちが歌う「蝶々」と実際の大戦当時の映像から始まる。

「自分が生きる為に戦っている」
「全て考えなしの偶発ごと」

捕虜になった子の年齢を考えると余計残酷に思う。作品として、この子の使い方も非常に効果的で上手かった。
シュタイナーは格好良い。彼が完璧人間として描かれていないのも良い。
あのフラッシュバックの演出は彼と戦地の混乱がよく伝わってくる。
彼を乗せた車が、遺体の上をそのまま通過する場面が何とも言えない…。

シュトランスキー大尉は狡猾にもなりきれていない小物だが「家族に会わす顔がないから鉄十字勲章が欲しい、固執する」ってのは、とても人間臭くはある。
赴任してきたばかりの頃は爆撃で建物が揺れるだけでキョロキョロとしていたのに、段々と動じなくなっているのが良い描写の仕方。
いざ現場へ出た時に装填の仕方が分からない…つまり基本的な事が何も分かっていなかったという事で。
戦争に関係なくこういう上司、いるよねと。

ロシアの女性兵が登場するが、男性にはできない様な、女性には女性の戦い方がそりゃああるよねと。
戦争に絡む女性の描写は勿論観た事があるが、女性兵の描写はあまり観た事が無かったので彼女達の場面は鑑賞できて良かったと思う。

最後にかかる曲はやはり「蝶々」で、その時にかぶさる笑い声と表示されたあのメッセージが強烈な後味を残す。
nobu0326

nobu0326の感想・評価

3.8
いきなり始まる可愛らしい「ちょうちょう」の歌(ドイツの古い童謡「幼いハンス」とのこと)の背景のナチスドイツの映像がいきなり酷い。
戦場という異常な場所に於いてのみ自分の存在感を見出せるドイツ軍の軍曹を演じるジェームス・コバーンは相変わらず渋く、ラストでも流れる「幼いハンス」の流れる中での高笑いが秀逸。
戦争の狂気、バカバカしさ殺戮の連続をこれでもかというほどに見せつけるサムペキンパー監督「戦争のはらわた」(1977年作)なのでありました。
ジェームズ コバーンがとにかくカッコよかった。
なぜこんな邦題になったのかw
舞台は第2次世界大戦。東部戦線をドイツ側から描く。
シュタイナーは、勲章をもらうほどの軍人。そんな彼を妬むシュトランスキーにより、シュタイナーの部隊は孤立してしまう。
シュタイナーたちは自陣への帰還とシュトランスキーへの復讐を目指す。

ドイツとロシアとの戦争というよりも、内部での対立を軸に描いている。

サム・ペキンパーらしく、ド派手な映像とバイオレンス描写の連続。そして男臭さ。

ラストシーンは、弾丸が飛び交う中シュタイナーが高らかに笑っている。しかし銃声が鳴り、笑い声も途絶える。そしてナチス政権から亡命した作家、ベルトルト・ブレヒトの言葉で映画が終わる。
「諸君、あの男の敗北を喜ぶな。世界は立ち上がり奴を阻止した。だが奴を生んだメス犬がまた発情している。」
まつこ

まつこの感想・評価

4.5
すごいもん観ちゃったな作品。
めちゃくちゃエンタメなのに実際の映像が重なると誰かが生きてきた世界なんだなと楽しんでばかりもいられない気持ちになる。

明るい声と不穏な音に赤色に染まる画面。あのマークが余計に不気味。もう乗っけから引き込まれた。また最後がいいんですよね。なんじゃいそら!みたいな。

飛び散る肉片、轢かれる人、どれもショッキングでところどころ薄目で観た。苦手な感じかと劇場で観るのは避けていた本作。家でも十分見応えあり!
ミシマ

ミシマの感想・評価

4.5
WOWOWの「隠れた名作発掘良品」カテゴリで放送されててビックリだよ。剥き出しの名作だよどこにも隠してないよ!!
戦争中でも仲間内でも人間個人のエゴが渦巻く様を上手く描いている。
負け戦のドイツ軍、貴族で名ばかりの将校の下で働く小隊長の葛藤は計り知れない。
ラストの笑いは狂気、もう笑うしかないのだろう。
敗戦国側の映画として良作。
Yoshishun

Yoshishunの感想・評価

3.9
短評

バイオレンス映画の巨匠サム・ペキンパーが、人間にとって最大の暴力である戦争を描くとどうなるか?

それは戦闘描写を徹底して描くことよりも、戦争中に露になる人間の内なる凶暴性を描くことに専念した異色の戦争映画になる。

日本の童謡「蝶々」のメロディに乗せて、ナチスドイツのユダヤ狩りをはじめとした鮮烈な暴力の記憶を映し出すオープニング。それは戦時中であるから公にされ、国の尊厳と名誉のために行われたもののように扱われるが、本作の暴力はそれを真っ向から否定する。中盤の看護師とのやり取りにもある通り、人間本来の暴力性を解き放つ場所として戦場が利用されただけの話で、昇進など自己の地位確立に他ならない。

小部隊を率いるシュタイナー伍長と部隊を統率するシュトランスキー上官の対比がうまく描写され、ラストの高笑いによる締めくくりも圧巻。

勿論戦争映画ならではの戦闘シーンも圧巻ですが、エンターテイメントとしてではなく、人間の精神的・肉体的暴力性というテーマを滑稽に描いた新鮮な暴力映画と感じた。
alaflan

alaflanの感想・評価

3.4
無能貴族上官かわいい
少しアップが多いけどキャラが立っててみんなかわいい
戦場シーンでスローと有刺鉄線の使い方がかわいい
主人公がいけいけ(指舐めるな)なのは70年代チックだけどラストで心温まったw

邦題が変
えいじ

えいじの感想・評価

4.1
原題 CROSS OF IRON (鉄十字章 )は当時のドイツ軍で 軍功の あった者に与えられた勲章のことである
この勲章をめぐり 歴戦の英雄で 鉄十字章を ぞんさいに扱い 上官達にとって 鼻持ちならない シュタイナー 曹長と フランスから 鉄十字章 欲しさに 最前線に 赴任してきた 貴族出身のシュトランスキー 大尉
この二人のコントラストが 物語の中心のようであるが それを上回る CG のない時代の戦場 シーンの リアルさ  爆破に継ぐ爆破で 敵も味方も分からない 戦場描写に 戦慄した。
面白かったのは ドイツ軍 目線 の 映画でありながら ハイルヒットラーを唱える シーンが一度もないこと
上官 を全く信じてない シュタイナーが ナチスを嫌うのは当然としてわかる
この映画の悪役である シュトランスキー自体も 貴族のプライドは信じるが ナチスを信じていないところ
ナチス党員の 新兵 が神経質そうでいかにもな感じの外見で描かれていて
それをシュタイナー率いる古参兵たちが
ここでは 俺達 の 言うことを 訊けといい
それに素直に従っている のも 面白かった。
有名なラストシーン

以下ネタバレ







シュトランスキーと
シュタイナーが 戦場へと颯爽と出て行く
そこは銃弾や爆弾が 飛び交う悪夢の世界
シュトランスキーは言う
装填はどうしたらいいんだ?
シュタイナーの高笑いが響く
これは、普段偉そうにしている上官だが
所詮 銃の扱いもまともにできない
間抜け野郎に対しての笑いか
戦争と言う地獄に突き進んでいく雄叫びなのか

幼いハンス 日本では 蝶々蝶々なのはにとまれで親しまれる曲だ
高笑いとともに効果的つかわれる
そしてその詩が象徴的に使われる
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