メイデン

戦争のはらわたのメイデンのレビュー・感想・評価

戦争のはらわた(1977年製作の映画)
3.9
ドイツ軍もソ連軍もみんな英語喋ってるんだけどの巻

第二次世界大戦内のドイツとソ連の戦争のお話
ペキンパー印の戦争映画で視点が毎度絶対敵として描かれるドイツ軍側ですが、ナチス讃歌という感じではなく、主人公の一個連隊がナチ党員で構成されていないため、司令部とは思想的に対立している点もポイントです
主人公が自分の部隊以外は敵視し権力や名誉に背を向ける様はヒーローのような描かれ方ですが、その主人公も実は自分を窮地に追いやった上官に復讐するわけではなく銃を渡し共に敵に向かっていくような狂人という
名家の出でどんなことをしてでも勲章に固執する上官と、従軍看護婦と良い仲になるも戦いに身を置くことを選ぶ戦いの中でしか生き得れない主人公、2人の確執をベースに色々な要素が入り組んだ構成ですが、出だしはちょっと小難しいものの理解し始めれば面白くなっていきます
主人公の高笑いが戦争とはいかに馬鹿らしいものかと思わせなくもないですが、予算切れであそこまでしか作れなかったみたいな裏話も聞いたことあります
常に予算との戦いだったらしいですけど、細かなカット割にスローモーションとカットバック、ペキンパーのバイオレンス哲学はふんだんに盛り込まれてます
ほぼ男しか出てこないけどこれまたペキンパーお約束のサービスカットもあります
メイデン

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