ヘッドチーズ

戦争のはらわたのヘッドチーズのレビュー・感想・評価

戦争のはらわた(1977年製作の映画)
5.0
40周年リマスター版にて
最終盤ブルーレイ購入

これはあなたにとっての戦争映画の概念を破壊する作品です。

現代の発達したCGやIMAXフィルムで作った戦争映画でも、この映画の前では霞んでしまう恐ろしい映画!
公開当時はほとんどヒットせず無冠ながらも、映画史に残すべき戦争映画の最高傑作!


第二次大戦時のドイツ軍の視点で描かれた。全編にわたり泥臭い映像、鳴り響く爆破と機関銃の音が耳に残る。

今どきの戦争映画にはや涙頂戴な演出やハッピーエンドで締めようとする意図があるが、本作はやるせなさや悔しさ・怒りの感情をわかせる映画だった。


激化する戦闘で人員不足のために戦争に兵士として送り込まれる女子供たち、中には味方の誤射で死ぬ兵士もいるし最悪…

正義感ある人間があっさり死ぬ無常さも戦争の惨劇を醸し出す。
ジェームス・コバーン演じる主人公のシュタイナー、少年兵や女性兵を無闇に殺さず、スキンシップができていて部下達の信頼も厚い。個人的に今まで見た映画の登場人物でもベストキャラだと思う。

対して貴族育ちの無能な上官(現代の政治家・官僚を彷彿させる)と、弱みを握られ利用される部下のクズっぷりが憎たらしくて良い。

賛否分かれるぶつ切りのラストは個人的に好き。こだまする笑い声が忘れられない…
ヘッドチーズ

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