傑作!
第二次世界大戦の中、鉄十字勲章が喉から手が出る程欲しいお坊っちゃま貴族ナチスと、前線で結果を出し鉄十字勲章を手にするも、それを良しと思わず、ドイツ軍に所属しながらもナチズムをクソだという先鋭された軍人の生き方を戦争のどっかんばっかんに乗せて写していく、という映画。
当時としては珍しいドイツ軍目線での映画なのだが、主人公シュタイナーがナチズムに否定的であるのと、喋る言葉が英語なので、頭が少し混乱する。
ラスト、ドイツ陣営が粉々に吹っ飛ばされて行く中、ナチズムに否定的なドイツ軍人こそが新しいドイツを作るという司令官の思いに脱帽。
そしてシュタイナーの高笑い。
これまで散々溜めに溜めてきたものをあのワンシーンで気持ち良いほど吹っ飛ばしてくれた。(笑)
敵さんの少年兵すら呆れ顔。
媚に媚びているような人間は結局鉄十字勲章を貰おうがなんだろうが役に立たないに変わりはないのだ。
このスケールの映画をコンパクトにまとめていて(133分)素晴らしいと思った。
無駄な贅肉を削ぎ落として先鋭されたカットだけを繋ぎ合わせた感じ。
作られたのが何年前だ?って程昔の映画なのだが、色褪せない。
機銃や爆撃の音なんかは今の技術力で簡単に上回ってしまうけれど、使い方がとにかく上手い。
野営地が爆撃と砂埃で混沌としているシーンなんかはまさに戦争。
後半に続くにつれ面白味が増えていき、ラストも大満足!
シュタイナーのように高笑いしてしまいたくなる。
ラストシーン、暗号が伝わらず、シュタイナーの小隊がほぼ全滅に追いやられてしまうのだが、あの制服と砂埃に爆音なら間違っても仕方ないかなぁ、なんて思ったりもした。
実際映画を観ていても誰がどれだかわからなくなる…。(笑)
戦争のはらわた、というだけあり、深くえぐられた戦争の姿を細かに描写している傑作だと思いました。
プライベート・ライアンとはまた違った、癖のある映画。
大満足!!!