春21号

戦争のはらわたの春21号のレビュー・感想・評価

戦争のはらわた(1977年製作の映画)
4.5
最後の切れ味がとにかくいい!

戦争映画における男の人間関係をドロッどろに描いた傑作
無線でやり取りする仁義なき闘いというか

正義に生きる主人公も保守に走るアイツもどちらも戦場でしか生きていけないという意味では同じ穴の狢というか
こんなところで成果を上げたところで所詮は虚しいもの
ここで行われるすったもんだは所詮は虚しいものなんだ!といいたげな最後の笑い声がとてもよかった。

俺はまだまだ甘いのかラストのシークエンスで男の友情が芽生えたのかと思った。
互いの正義を理解しあったからこそ共に走って行けたのかと
でもあれはそうとは言えないよな…
主人公が感じたあの虚無感というか…
何振り回されてんだというか
あのラストシーンで生きてくるのが途中の病院のシーンで戦場に後ろ髪を引かれながらでも結局あそこにいた方が主人公にとってはよかったんじゃないかと思った。
途中で戦場に再び赴く主人公はまだそれでも何かを信じていたのだと思うし、そんな自分さえも最後に笑っていたのかもしれないな〜と

この戦争にかっこいいものなんて1つもねぇーんだよ!と吐き捨てるかのような乾いた作品だった。

銃器描写や戦場の描写がとにかく凄くて狂気と呼べるものなんだけどその中でも僕は軍服の描写を押したい
ドイツ軍の今でも有名な軍服をキッチリ見せてくれていて、今ではファッションとして取り入れられているものが本来どんな活躍をしていたとかをみせてくれている。
特に主人公の服装演出は良いので是非とも

戦争における諸行無常感を描いた傑作だと思う。改めてぜびぜひ
春21号

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