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父 パードレ・パドローネのleylaのレビュー・感想・評価

父 パードレ・パドローネ(1977年製作の映画)
4.3
過去鑑賞作品

一番最初に観たタヴィアーニ兄弟は今作だったせいもあり、思い入れもあり大好きです。

再鑑賞(2023.8.15)

昔観た時、何が強く心に響いたのか。再鑑賞してもよくわからなかった。ごつごつした岩の転がる寂しい風景と輪郭だけ覚えていた。

パードレは父、パドローネは主人を意味する。タイトルどおり、家父長制で権力を振るう父によって学校にも行かせてもらえなかった原作者、言語学者のガヴィーノ・レッダの半生を描く。

音と音楽の使い方が印象的な作品だった。音を聞けという父の言葉のせいかもしれない。

サルデーニャ語しか話せず、読み書きできないガヴィーノが言語学者になるまでを描くのだが、結局彼は生まれながらにして羊飼いであり、最後はサルディーニャ島に戻っていく。血というものは、どれだけ深くその人を形成しているんだろう。

息子に折檻し、学校へも行かせない父だったが、いつしか息子の方が上に立つ日が来る。これはどんな家庭でもあることで通過儀礼みたいなもの。それでもまだ虚勢を張る父は可愛くもある。昔は日本の父もたいして変わらないと思う。

最初と最後が同じであることの重要性。
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