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Ritorno a Buenos Aires(原題)
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『Ritorno a Buenos Aires(原題)』に投稿された感想・評価

Omizu
3.6
【第83回ヴェネツィア映画祭 コンペティション部門出品】
『Birdwatchers』マルコ・べキス監督18年ぶりの長編劇映画。ヴェネツィア映画祭コンペに出品された。

悪くない。ある過去を抱えた男の贖罪の物語。しっかりとしたプロダクションに支えられた骨太な物語でかなり見ごたえあり。

ただ、女性がかなり透明化されていて男のひとりよがりに見えるところがあるのが残念。

アルゼンチンの軍事独裁についての物語で、一人の男と歴史が交錯する。描き方も骨太でとてもいい。男の犯した罪とは何か、それを慎重に探っていく演出手腕がなかなかのもの。

主演男優もいい演技をしていて、賞に絡んでもよかったくらい。ただやはり女性表象に難ありなのが玉にきず。

でもトータルとしてはいい作品だと思う。骨太で丁寧な心理ドラマとして飽きないくらいの力を持った作品。良作。
[アルゼンチン、過去の罪と向き合う男の物語] 50点

2026年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。マルコ・ベキス長編五作目、18年ぶりの新作長編。これまでもアルゼンチンの"汚い戦争"時代の闇の歴史を描いてきた監督が満を持して撮ったのが、加害者側に立たされることになった被害者の物語である。監督自身もこの拷問を生き延びた経験を持ち、それを反映した作品を多く作ってきたらしい。主人公マリアーノ・ゲーラは、2008年の時点でイタリアで救命救急士として働いている。あるとき、マリアーノは母国で行われる当時の悪名高い拷問施設"ガレージ・オリンポ"についての裁判で証言することを求められる。彼が呼ばれたのは、収容所で囚人たちを拷問虐待し殺していた実行犯とその黒幕たちの顔を見た人がほとんど生き残っていないからだった。一方でそれは、自身も被害者ながら医学の心得があったことで加害者の片棒を担がされていた自身の過去と向き合うことでもあった…云々。全体的にかなり分かりにくい複雑な構成になっていて、頻繁に過去と現実が入れ替わり、過去の自分や自分の行いを幻視し、かつての加害者たちに追われているような感覚に陥らせる。観客には不親切だとは思うが、これはマリアーノが蓋をしてきた過去と向き合う過程であるとも言える。その点で冒頭とラストが対になっているのが興味深い。イタリアのマンションの一室のドアスコープから始まり、それをこじ開けて中で倒れていた人を救い出す冒頭を念頭に置くと、若い頃の自分を追っていくと刑務所のドアにぶち当たるラストは、未だに彼が過去に囚われ続けていて、若い頃の自分の罪を救い出せていないことが分かる。マリアーノと同様に証言台に立ち、裁判所が警護する部屋(まるで収容所のようだ)に隣同士に入れられる、生き残った当時の仲間たちも、同胞を殺した彼を許してくれる(ような描写がされている)が、彼自身が背負う罪がそれ以上と感じているのだろう。観終わった後に思い返してみると、複雑な構成もバッドトリップ的なものではなく、堅実な南米映画という感じに思えてきた…のだが、途中で倒れたマリアーノを隣室に泊まってた当時の仲間が介抱してくれた流れでセックスするだけのはマジで意味が分からなかった。他にも、マリアーノが密告したせいで逮捕され殺された女性の娘が、ある種の探偵のような役で登場するが、結局はこの二人の女性に"許されたい"という感情が透けて見えるような気がした。
MM
3.7
知らなかった歴史をまた1つ知れた
ブエノスアイレスに着いてから、現在と回想が交錯しながら物語にドライブがかかっていく。
それで前に進むんかいと思わないこともないが