しばいぬたろう

フロム・ヘルのしばいぬたろうのネタバレレビュー・内容・結末

フロム・ヘル(2001年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

『フロム・ヘル』('01)
From Hell / アメリカ合衆国 / 英語

アメリカが作った作品だからやりたい放題できました、という物語展開でした。
ちなみに、本作の原作小説の執筆者はイギリス人であり、本作もイギリス人俳優も多数登場している。
しっかり「フィックション」としているので、まだ納得できる展開ではあるのかもしれない。

未だに謎の「切り裂きジャック」の正体を、独自解釈で解決していく物語。
しかし事件の概要(殺された売春婦や殺害方法など)は、正しく描かれている。


1888年のロンドン、ホワイトチャペル地区。
娼婦を狙った殺人事件が発生するのだが、その殺人方法が残虐過ぎることで、他の事件からは一線を画していた。
夢の中で事件を追っていくことのできる能力を持つ警部あばーラインは、本件を担当することとなり、事件の被害者が関わる娼婦の仲間たちの一人から有力な情報を得るのだった。


当時ロンドンを恐怖に陥れた「切り裂きジャック事件」。
名探偵コナンの劇場版『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』でも題材になっている事件で、残虐性や大量殺人具合は決して子供向けではない。
女性の内臓を取り出して、腸を首に巻き付けるなど、まともな人間のすることではない事件の概要を、本作ではそのまま扱われている。
登場人物は半分以上が娼婦で、赤ん坊の母親とその恋人の情事がそのまま映されているので、事件の残虐性も含めて、子供の鑑賞はやはり控えた方が良いと思う。

鍵を握る娼婦メアリはヘザー・グラハムが演じている。
彼女は脱ぐことができる女優ではあるが、本作ではそんなシーンは特になく、良い雰囲気となるあばーライン警部とも健全な関係を築いていく。
主人公アバーライン警部は超能力者で、優秀な捜査官。
顔も整っている若い頃のジョニー・デップが演じているので、とても見栄えが良い。

物語展開は前半は良かったのだが、後半はダレてしまった。
王族が関係している展開までは楽しめたのだが、フリーメイソンが関わってきてしまって、徐々に理解が及ばなくなってくる。
ヴィクトリア女王が悪事に加担していたという展開が入るという好き勝手展開までは、ファンタジーとして楽しめた。

個人的に本作で一番良かったと思うのは美術と衣装。
雨と霧の町ロンドンのため明るい映像はなく、夜か曇りばかり。
衣装も当時の紳士が着る服から、娼婦のかなりキツい原色系の色合いの衣装も印象的。

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【映画ジャンル】 ホラー系サスペンス映画 歴史スリラー映画  
【作品の主題】  連続殺人鬼を追う 
【登場人物設定】 切り裂きジャック 警察官 売春婦
         ヴィクトリア女王
【舞台設定】   ロンドン 19世紀
【原作媒体】   実際に起きた事件 原作小説
【登場する生き物】―
【物語展開】   薬物中毒者 イギリス王室 
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