FREDDY

フロム・ヘルのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

フロム・ヘル(2001年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

アラン・ムーア原作の同名グラフィック・ノベルを下敷きにアルバート・ヒューズ、アレン・ヒューズがジョニー・デップの主演で制作したサスペンスである本作は、1888年のロンドンを舞台に、ホワイトチャペル地区で娼婦を標的とした連続殺人事件が発生したことでピーター・ゴットレイ巡査部長とともに事件の捜査にあたり、街を牛耳るギャング・ニコル組の犯行を示唆するも犯行手口が巧妙であり犯人を示す手掛かりが得られず二の足を踏んでいたところ、アヘンによる"幻覚"で見た娼婦が殺害され、現場検証から何かの"儀式"が行われていたことを掴んだ後、被害者の娼婦仲間であるメアリ・ケリーから聞かされた富豪との子供を授かった元娼婦アン・クルックの失踪事件を糸口に、互いに惹かれ合うようになっていたメアリやかつては王家の侍医だったウィリアム・ガル卿の協力を得ながら事件の真相解明に邁進していたフレッド・アバーライン警部が、アン・クルックの失踪事件に絡んでいるとされる公安部のベン・キドニーやアンの夫である富豪の正体を突き止め、事件の裏に潜んでいたとある"秘密組織"に辿り着いたことで思いも寄らぬ事態に遭遇していく様が描かれた作品となっているのだが、本作はジョニー・デップとヘザー・グレアムの共演や題材となっている1888年に実際に発生した「切り裂きジャック事件」を新たな解釈で描いたことなど惹かれるものはありましたし、アバーライン警部の前に立ちはだかった秘密結社"フリーメイソン"について興味を掻き立てられる内容となっているので個人的には最後まで楽しめましたね。ただ、少々過激な描写も含まれるので人を選ぶ作品なのかもしれませんし、大まかなあらすじこそは悪くはないが想像をこえない展開ばかりでどこか物足りなさも。しかしながらアヘンによる幻覚というアイテムを用いて推理を深めていくことなど下地となる設定は面白いとは思わされましたし、おどろおどろしい雰囲気の中で映し出される殺害シーンは意外と印象に残るものとなっているのでその点は高評価。期待して観るほどの作品ではないかもしれないが観て損はないのでは。ジョニー・デップ目的の視聴であれば十分に満足はできますが。
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