ぬーこ

青の炎のぬーこのレビュー・感想・評価

青の炎(2003年製作の映画)
3.5
原作 貴志祐介
監督 蜷川幸雄
主演 二宮和也
   松浦亜弥

自分から切っても切り離せない作品(本)を5つ挙げるなら何だろうか?
考えた時に必ず思いつくのが本作だ。中学時代の友人にエロい小説だよ、とか言われて借りて読んだら、全然エロくなくて主人公の動機、行動すごく心が震えた。そのまま3回再読して夢に何度も出てきた

高校生が家族を守るために挑む完全犯罪。原作は是非一度読んでほしい。映画で終わらせてほしくない。

青い光=チェレンコフ光、放射能の光
原作では蝋燭の一番外の一番温度の高い炎
だったような。

映画の出来は微妙。元々2時間でまとまる話じゃない。自分の好きだったものが2時間の映画で要約され、陳腐化されてみんなの前に広げられるって、辛い。
原作によっては映画のおかげでさらにうまく描けるものもあるが、本作はそうじゃないようだ。
終わりのあややの顔はまあ良かった。喪失感のある歌も良い感じ。

ロケ地が鎌学(鎌倉学園)ってのが羨ましい笑。それと江ノ電は画になるよね。

○映画の至らない点
監督がちゃんと本読んでない。
・倒叙型推理小説の最も大事な犯人の動機があまり描けてない。何故曽根を殺さなければならなかったのか、最後の藁の話もないし、ガラスを見つめるよくわからない演出。
・殺しのシーン、ニノがまだ青い。
・2つ目の殺しも動悸や悩みを描いておらず、17歳の狂気みたいな感じが嫌だ。もっと誰にでも起こる、誰でも犯人になる可能性があるっていう差し迫った感じが良かったのに

○セリフ
猫が死んだことについて)
うまく表現できないだけ。上っ面で話せないの。
好きなもの?
そう、好きなものを順番に書き出していくのよ。
好きなものが思いつかない場合は?
嫌いなものをあげて、それを焼いてしまえばよいのよ。

2021.90
ぬーこ

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