りょうすけ

ハスラーのりょうすけのレビュー・感想・評価

ハスラー(1961年製作の映画)
3.0
「ハスラー」

本作を観るに当たってはそれなりに知識が必要だった。ビリヤードには主にキャロム・ビリヤードとポケット・ビリヤード(プール)があること。後者が日本で一般的に知られているビリヤードであること。「ハスラー」とはビリヤードをする人のことではなく、ギャンブルで相手を騙して大金を巻き上げる人であること。この辺りは知っておかないと作中の意味合いを異なって受け取ってしまうかもしれない。
スポーツ映画の様なエンタメ要素もありつつ、主人公の恋愛模様であったり、ギャンブルに依存する人間の堕落する様であったりを描いた真面目なドラマ映画でもある。
ビリヤードのシーンは俳優本人が演じたものらしく、その場の緊張感がヒシヒシと伝わってくる。ビリヤードという競技の特性を活かした撮影方法が評価されたからなのかアカデミー賞では撮影賞も受賞しており、それなりに撮影の面白さを感じる。「ハスラー2」では球を近距離で追いかける様な撮影方法がなされているのに対し、本作ではある程度の距離から球の動きを観察する様な撮影方法になっていることも特徴。そのため、「ハスラー2」よりも観客として勝負を眺めている様な気持ちになる。
ドラマの部分は、いかにも60年代の男が女の忠告を無視し、ギャンブルで堕落する様を描いており、あまり気持ちが良いものではなく、上映時間も長いので退屈ではある。前半とラストのエディ対ミネソタ・ファッツの戦いのシーンは凄く良かったが、それ以外は淡々としていてあまり好きではなかった。
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