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スターリングラードのFingerFirmのレビュー・感想・評価

スターリングラード(2000年製作の映画)
5.0
大人数対大人数の大規模な戦闘を描くことが多い戦争映画の中で、狙撃手対狙撃手の一騎打ちに焦点を合わせた稀有な作品(一応序盤には大規模な戦闘も出てくるが、中盤以降はほぼ一対一)。

灰色の雲と無機質な瓦礫に覆われたスターリングラードの退廃的な雰囲気と、静かながらも緊迫感溢れる狙撃手戦に否応なく引き込まれる。

ただ、中盤で主人公の恋愛や人間関係に時間を割きすぎてダレるのが惜しい。

戦争映画における恋愛や人間関係描写が余計だとは必ずしも思わないが、この映画の場合はその比率が高くなりすぎてしまっている。

戦闘に恋愛に人間関係にと、様々な要素を詰め込みすぎていて中途半端な印象を受けてしまう。

どうせなら『ブラックホーク・ダウン』のように、戦闘シーンを中心とした硬派な構成にしてほしかった。

この中弛みさえなければ文句なしの私的オールタイムベスト映画だった。本当に惜しい。
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