シリアスなピーター・バーグ。
展開に無駄がなく、崖からの落下や被弾の痛みを視覚と聴覚の両方から生々しく表現した演出は見事。主人公たちが木や岩に体を打ち付けるたびにこちら側にも鈍い痛みが伝わってくるようで、見ていて目を背けたくなる。
『ハーバード白熱教室』で話題となったマイケル・サンデル教授の著書でたまたま知った「レッドウィング作戦」の映画化ということで前々から気にはなっていたが、今回見てみて予想以上の完成度だった。
そしてあの村人たち。
自らの命や身の安全を投げうってまで、まったく血の繋がりのない、ましてや人種や国籍さえ違う赤の他人を助けるということは、並大抵の覚悟と勇気ではできないだろう。
真の英雄は、あの村人たちだと思った。