ペジオ

ロアーのペジオのレビュー・感想・評価

ロアー(1981年製作の映画)
3.8
命懸けでほのぼのしてやる

元々は「ロアーズ 猛獣一家は大騒ぎ⁉」なんてユルい邦題だったらしい
…いや言うてる場合か!

明らかに異常な状況なのに、まるで普通のファミリー映画の様に撮られている
それはつまり「狂気」の為せる業なのだが、わかりやすく「正しい」動物愛護の精神が込められているのも間違いない
「クスリも過ぎれば毒となる」じゃないが、正しさも極めればやっぱり狂気なんだな
作ってた人たちもキマッてたんだろう
そのやり過ぎ精神故か映画は多幸感に満ちあふれたものになっている(ネコ科の猛獣たちの愛くるしさやモフモフさも要因だと思うが)

映画の意図とは反してるかもしれないが、常に緊張感が途切れない映画でもある
演者たちの「命懸けてる感」が画面から滲み出ているから
「動物たちは訓練を受けておらず、自由に演じているため、共同監督・脚本家としてクレジットされる資格があります」の言葉にならえば、この緊張感は動物たちの功績だろう
コントロール下からはみ出た偶発的要素こそ映画作りの醍醐味とも聞く

…どうだろう?
「普通のベタな話を猛獣だらけの状況で撮る」という方法論で今後も映画を作ってみては?
「あの凡作」や「あの駄作」でも画面に猛獣がいたらと想像すると面白く感じたので、やってみる価値はあるように思う
俺はやりたくないけど
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