この「文化人」の黒人奴隷Josephと、野生で生きる「野蛮人」の白人Joeの掛け合い、そして、この両者の、奴隷と主人の関係が次第に対等の関係へと発展していくストーリー展開が、本作の「旨味」であり、本作がウェスタン・コメディーの良作の一本であると言われる所以である。しかも、黒人と白人の立場が、文化人と野蛮人と逆転しているところに、本作の「コメディー性」があるのであり、人種差別の重い問題を、こうしたコメディーとして扱っているところに、本作の、とりわけ脚本(アメリカ人脚本家William W. Nortonの初期の脚本)の「強み」があるのである。