タカシサトウ

砂の女のタカシサトウのレビュー・感想・評価

砂の女(1964年製作の映画)
4.0
 何とも言えず奇妙な話だった。あたかも、人の心の底に降りて行って、段々そこから抜けられなくなっていくような、そんな話だったのではないかと思う。

 “女”の岸田今日子が何と言うか、謎めいて妖艶でもあり健気でもあり、彼女あっての映画だと思った。武満徹の音楽もいかにもという感じだけれどもとても良かった。

 そして、原作(未読)だともっと違う味わいかもしれないが、この白黒の画面に映る砂が何とも象徴的で、引き込まれるような感触だった。

 捕まって逃げ出す話のようであって、全く違うものかと思う(2022.2.26)。